*Long2*
□となりの彼氏 14
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A大学には立派で大きな図書館がある。
文学部の私には当時それは魅力的だった。
カリキュラムもおもしろそうだったし、
キャンパスの雰囲気もおしゃれでとにかくここに行きたい!と思ったのだった。
でもはい、
ご覧の通り私はB大学に通っている。
つまりは落ちた。
A大学の方がランクが1つ上でぎりぎり受かるか受からないかの瀬戸際だった私の成績では
その年の門をくぐりぬけることはできなかった。
まぁ今は友達にも恵まれているし
B大学の図書館だって悪くない。
落ちた時はショックでふさぎこんだけど、
今は今で楽しく過ごしている。
だから後悔や不満はない。
けど亜理沙たちの言葉を借りれば
「それとこれとは別!」だ。
憧れだったA大に通う人物が
こんなにも身近にっ、
というかお隣さんがそうだったとはっ!!
「え、あ、そうだったんだ」
「そうだったんです!」
ねぇ、風丸と柏木ちゃん
敬語やめなよ―、と
マックス君が呆れたように言う。
自分の掌を胸の前で組み、
多分私はその時キラキラとした瞳を彼に向けていたのだと思う。
若干戸惑ったように私を見つめかえしていた風丸一郎太君は
ちょっと思案げに視線を動かしてからこういった。
「じゃあ、こないだのお詫びもしたいし。良かったら大学に来るか?」