*Long2*
□となりの彼氏 12
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蒼い髪は明るい太陽に透けてキラキラと光って見える。
それをいつか見たポニーテールじゃなくて今はハーフアップにしていている。
紺に白いラインが入ったジャージに
重たい音の正体は持っていたボストンバックだった。
「な、何でお前らと一緒にっ」
「こちら501号室柏木ちゃんっ」
「大学が一緒だって今日わかってさ」
私と2人をなぜか慌てた様子で交互に何度も見るお隣さんは
半田君の言葉を聞いてぽかんとする。
・・・あ、やっぱり急に来たらそういう反応になるよね
「あ、あの急にすみません。こないだのお礼も言いたくて」
「えっ、あ、いやあれは」
なんだか申し訳なくなってそう言った私が
表情を曇らせたのがわかったのか、ハッとしたように彼も口を開く。
しかしそれを止めたのは松半コンビだった。
「柏木ちゃんは僕らが誘ったんだよ」
「そうそう、まぁ立ち話もなんだから部屋入ろうぜ」
「・・・お前らなぁ、ここの部屋の主は俺だっての」
ちょいちょい、と指で部屋を指した半田君にお隣さんは呆れたようにため息をつく。
は−や−くっ!と
子供のように急かすマックス君と
それに笑いながらも同じく急かす半田君を
横目で見ながら彼がドアを開ける。
どうしよう、ついてきたはいいけれど
お邪魔していいのかな
「風丸の部屋っ、こないだぶりっ」
「あ−、相変わらず綺麗過ぎて落ちつかねぇ−」
慣れた様子で部屋に飛び込んでいく2人を見ながら私はまだ迷っていた。
は、入ってもいいのかな、
ででも結局本人から良いって言われてないしっ
緊張+迷い=何も言えない、動けない
そんな私に
彼はというと扉を握ったまま優しく言った。
「散らかってるけれど、どうぞ」