IS 〜天使の翼〜

□第5話
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(おかしい……?ミサイルが予定よりも多すぎる……)

千冬は目標の地点にたどり着き、レーダーでミサイルを感知すると予定より多く異常だと思い束に通信を入れる。

「おい、束!ミサイルの数多くないか? 一体どうなっている!?」

「うっうっ……ぐすっ……ちっ、ちーちゃん……?」

「どっ、どうした束!なぜ泣いてる?」

(あの束が泣いているとは……まさか、何かあったのか!?)

「うっうっ……ソラちゃんに……ソラちゃんに……」

「なっ、なんだ?ソラがどうした?」

「ソラちゃんに、ソラちゃんに……嫌われちゃったよぉぉ!!」

「はぁ?一体何をしたんだ?――とりあえずミサイルの数が多いのだが何か知らないか?」

千冬はとりあえず要件だけ先に言う。

「ちーちゃんゴメンね……ミサイルの数予定より3000発位多いから……やっぱり束さんは出来ない子だったんだね……増援もあと少しで着くと思うから頑張ってね……じゃあ……」

「あっ!待て!束!!」

束は千冬の言葉を無視して一方的に通信を切った。

(くっ、何とか持ちこたえているが……こうも数が多いと迂闊に動けない……それに増援だと!?一体何が来るんだ?)

千冬は飛んで来たミサイルを叩っ斬りながら束が言った増援に疑問を感じていた。








(ふぅ、あっという間に着いちゃった。――って!?何このミサイルの数!?千冬お姉ちゃんよく持ちこたえているね。でも、まだまだミサイルくるんだよね……)

ソラは聖天使はその場で停止させて左手にスナイパーライフル、右手にマシンガンを展開して飛んでくるミサイルを次々に撃ち落として白騎士に近ずいて行く。




束が言っていた増援はものすごい速度で飛んできた。
そして、右手と左手に別々の武器を展開してミサイルを落としこちらに近づいてきた。

「千冬お姉ちゃん、増援に来たよ!」

(お互いバイザーで顔が隠れてるけど分かりるよね?)

「なっ!?どうしてソラが!?」

千冬は増援の正体に驚きを隠せず、動きが止まった。

「私のことは終わったら話すよ。とりあえず。今はミサイルを!」

「あ、ああ……分かった。すべて話してもらうからな!」

千冬お姉ちゃんは私にそう言うとミサイルを落としに行った。私も負けじとミサイルを落としていった。




それからしばらくミサイルを撃ち落としていて、残り1000を切ったところで聖天使のレーダーにミサイル以外の物体を感知した。

「ん?あれは……」

ソラはスナイパーライフルのスコープを覗き3000キロ先の物体を見る。

「あれは……戦闘機かな?」

ソラが見たのは何処かの国の戦闘機だった。スコープを使い辺りをよく見てみると何十機もの戦闘機がいた。

「千冬お姉ちゃん、ミサイルは私がやるから戦闘機の方をお願い!」

私も近接武器があるけど、それだと遠距離武器が少ない白騎士の方に負担が掛かってしまう。

「あれ?他にもレーダーに反応がある……」

今度は海上に巡洋艦4隻、空母3隻、駆逐艦6隻、海中には潜水艦が3隻、こちらに向かってきている。

(ちょっと!某艦隊さん、来るの早すぎです!)

「束お姉ちゃん、監視衛星の映像を5分間だけ妨害すること出来る?」

私はこれ以上時間をかけるのはまずいと判断し、束お姉ちゃんに通信を入れる。

「ごめんね……ソラちゃん……私のせいで……」

束はモニターの前で充血した目を擦りながら謝ってきた。

「束お姉ちゃん……もう、気にしてないからいいよ」

「本当に……?束さんのこと嫌いじゃない?」

「うん、束お姉ちゃんのこと嫌いになんて思って無いから元気出して」

「うん、うん!ありがとう。映像の妨害はいつでもいいよ。タイミングはこっちで合わせるね」

「了解! 聖天使 A.D.S 起動!!」

天使の翼(エール・ド・ランジュ)内のコアが同調し始める。同時に翼が放射状に展開し、碧い光が漏れ出てきた。

《コアの同調及び、エネルギーバイパスの構築を確認しました。A.D.S 起動。タイムリミットまであと、5分です》

右手にマシンガン、左手にスナイパーライフル、両腰に超電磁砲を展開して、ソラは4つの砲門を飛んでくるミサイルに合わせる。

「すべて……狙い撃つ!!」

ソラはトリガーを引き、4つの光がミサイルを落としていく。
A.D.Sのおかげで武器の威力が上がっているから瞬く間にミサイルの数が減っていく。

「よし!これでミサイル全部撃ち落とし――《後方からミサイル接近》……今度は何!?」

後ろを見ると巡洋艦と駆逐艦からの攻撃が始まっていた。
千冬お姉ちゃんの方は……空母から出てくる戦闘機を斬りまくっていた。

(でも、そろそろ白騎士のエネルギーが危ないし
、A.D.Sも残り2分弱か……)

「千冬お姉ちゃん、あとは私が無力化するから撤退して」

「くっ、済まない……ただし、無理はするなよ!」

千冬お姉ちゃんはステルスを使い撤退しついく。
私は武装を戻して海中に突っ込み艦隊の真下に行き実体剣を展開してスクリューを次々に破壊する。
回りに居た潜水艦は魚雷を発射しようとしたが味方の船底に居るため手が出せずにいた。
そして、最後の艦のスクリューを破壊したところでA.D.Sが終了した。

「さてと、私も撤退しよう」

そうして聖天使も白騎士同様、ステルスで確認出来なくなった。
後日、この事件は白騎士・聖天使事件と呼ばれるようになった。
 

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