IS 〜天使の翼〜
□第4話
1ページ/1ページ
「うんうん。やっぱりソラちゃんは天才だね!まさかコアまで作っちゃうなんてびっくりだよ♪」
「まさか、これほど簡単に作れるとは思わなかったよ」
束さんと出会って一ヶ月が過ぎて、今私達はコアの量産をしています。
何でも、世界各国に配るようです。
(それにしても、数が多い……)
「よいしょ!これで今日のノルマ達成!今までのと合わせると200個目完成したよ〜。ソラちゃん、そろそろ白騎士と聖天使も完成させよう」
インフィニット・ストラトス――通称「IS」
束さんが作り出した発明品。
その性能は戦闘機が紙飛行機、戦車が鉄の棺桶、軍艦がゴムボート、と言えるくらい現代兵器を凌駕しており、まさに世界最強。
そして、白騎士と聖天使。
白騎士は千冬お姉ちゃんのISで聖天使は私のIS。
(でも、聖天使はまだA.D.S(エンジェル・ドライブ・システム)の調整が終わってない)
「ソラちゃん、A.D.Sの調整は終わった?」
束は作ったコアを大切に保管し、聖天使を調整しているソラに話しかける。
「まだまだ時間掛かりそうですね。システムもそうですし、エネルギーバイパスの分担がまだ残っていますから……」
ソラはパソコンと睨めっこしながら答える。
「それにしても、このシステムよく思い付いたね。私は無理だよ」
束はソラの後ろに立ち、見守っていた。
(本当に凄いよ、ソラちゃん!私の興味対象なんてレベルじゃない!)
「はぁっ!」
その頃、千冬は篠ノ之道場で一夏と練習?していた。
(はぁ……何故ソラは最近束のところばかり行っているのだろう?)
「胴おぉぉ!」
二人は防具を身に付け、試合形式に戦っている。
しかし、先程から千冬が猛攻し始め、一夏は必死に耐えてた。
(まさかこの間、束が「世界を変えよう」とふざけた事言っていたがそれが関係しているのだろうか?それにしても最近ソラと構って無い……。クソッ!束の奴め!アイツばかりソラと一緒に居て……。あぁ!イライラする!!)
「メエェェン!!」
千冬の一撃は一夏の面に力強く当たり、バギッと嫌な音が竹刀から聞こえた。
(はっ!しまった……力を込め過ぎた。それと後で、束をシメて来るか)
千冬は折れた竹刀を交換しに行った。
「ちっ、千冬姉ぇ……お、俺に八つ当たりしないでくれ……」
一夏はそれだけ言うと道場の床に倒れた。
それからしばらくして……
「束さん、コア467個全部作りましたよ〜」
(それにしても頑張った……一時間に二つは中々大変だったけど、これで準備が終った)
「わーい!ソラちゃん、ありがとう♪」ギュッ!
束はソラに抱き着いた。
「うわっ!?ちょっと、危ないですよ束さん!」
いきなり後ろから来て、ソラは椅子から落ちそうになる。
「…………」
束はソラから一度離れた。
「束さん?どうかし――」
「駄目っ!」
「……何がですか?」
「ちーちゃんのことは[お姉ちゃん]って呼んで、何で私のことは[さん]なの!!」
束はいきなり大声を出し、不機嫌になった。
「えーと、普通にそう呼んでるだけですけど……特に意味は無いですよ」
ソラは困った様子で束に答える。
「なら、私のこと[お姉ちゃん]って呼んでね♪」
束は笑顔でソラに言うと「早く早く」と、催促してきた。
「はい、束お姉ちゃん」
「あぁん〜!やっぱり可愛い!!」ギュッ!
「わっ!?だから、危ないですよ!」
揺れる椅子でソラは束に対して言うがしばらくは抱き着いたままだった。
そして、いよいISよを発表する日が来た。
「束、ソラ、これが私のISか?」
「うん、千冬お姉ちゃんのIS 白騎士だよ」
千冬お姉ちゃんは白騎士を身につける。
「――よし。束、準備できたか?」
「ちーちゃん、束さんを甘く見ないで…………よっと!これで各国から日本の国会議事堂に向かってミサイルが飛んでくるよ」
「分かった。白騎士、出る!!」
千冬が乗っている白騎士はステルスを使い、東京都よりも南。沖合、数百キロの地点に行く。
「あれ?束お姉ちゃん、ミサイルの数多くない?一体何発用意したの?」
モニターとレーダーを見ていたソラが異変に気付き、もう一度確認するがやっぱり多い……
「えーと、確か……5436発だったかな?ちょっと、多かったね。さすがのちーちゃんでもキツイから……ソラちゃんいける?」
「はぁ……束お姉ちゃん、もう少し加減を知ってよね!!」
流石にこれは多すぎる……
「ごっ、ごめんね……ソラちゃん……」
普段あまり怒らないソラが怒り、束は驚いてすぐに謝るがソラは黙っていた。
「うっうっ……ぐすっ……ソラちゃんに嫌われちゃったよ……」
束はモニターの前で体育座りをして凹んでいるがソラは時間が無いから無視した。
(さてと……行こうか戦場に……)
「聖天使行きます」
ソラは聖天使を起動して上空へ舞い上がる。
(無事に起動出来てよかった。でも時間が余り無いから、早く千冬お姉ちゃんのところに行かないと……)
ソラはモニターを出して機体の最終確認をする。
「天使の翼(エール・ド・ランジュ)は……問題無いね。――よし、一気に行くよ!!」
ソラはスラスター全開で千冬の下へ行った。