IS 〜天使の翼〜

□第1話
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初めまして私、星神ソラです。

え、誰だって?

私ですよ、私。
神様に転生してもらったんですよ。

それと、今確認したんですけど私の容姿がもの凄く変わっていた。

身長はぎりぎり100pに届くか届かない位で、髪は癖っ毛の黒髪から腰まで届くサラサラで薄めの金髪になっている。
瞳は緋と碧のオッドアイだが小顔で全体のバランスが合っていて可愛らしい。

神様、中々良い仕事してくれるじゃないですか!


そして、今は見知らぬ街をさまよいながらこれからの事を考えていた。

身につけているものに金目のものは無く、身分を証明する物も無い。

どうしよう、このままだとヤバい……。
さまよい続けること一時間、日が沈み始めた。

私は歩き疲れ、近くの公園で休む。




はぁ、これからどうしよう……。
私はため息をしてベンチに背中を預ける。

「きみ、迷子なの?」

あたりが暗くなり街灯に光が灯るころ、一人の男の子が私に話しかけてきた。

「……うん、そんなところかな。ところで、君は?」

「俺の名前は一夏、 織斑一夏だ。君は?」

「私はソラ、 星神ソラだよ」

「それじゃあ、ソラ。もう暗くなってきたけど家に帰らなくていいのか?」

男の子と名前を交わすと私が今一番困ってることを聞いてきた。

「えっと、その……帰る家が無いの……」

「えっ!?親はどうしたの?」

「…………居ないの」

私は俯きながら彼に答えた。

そう、この世界に私の親は居ない。
名前だって神様が付けてくれたもので私は天涯孤独の身だ。

「その……ソラ、ゴメン!」

男の子――一夏君は私に頭を下げて謝る。

「ううん、いいよ一夏君。一人は慣れているから……」

私は悲しみをごまかすように苦笑した。








目の前女の子――ソラの悲しそうな笑顔を見て俺は心が痛かった。

ソラは俺と同じで親が居ない。
けど、俺には千冬姉が居てくれて淋しい想いはしたこと無いがソラは一人…………そうだ!!

「なあ、ソラ。家に来ないか」

「……いいの?」

「ああ、もちろんだ!」

彼は私に手を差し出してきた。私も手を出してその手を掴み歩き始めた。




二人の出会いから数分後。場所は変わって織斑家。

「千冬姉、ただいま」

「おかえり、一夏。――おい、後ろの女の子はどうした。まさか、彼女か?」

姉と思われる女性が私を見て、驚いた顔で一夏君に尋ねた。

「違うよ千冬姉。この子、帰る家も無いし親も居ないんだ。それで、つまり……」

「連れてきたと」

「……うん。でも一人ぼっちなんだよ。千冬姉、いっしょに暮らせない?」

「まあ、待てとりあえずこの娘からも話を聞かないと。……さて、君の名前は?」

「…………」

自分に向けられたその真剣な表情に私は怖くなり一夏君の後ろに隠れた。

「大丈夫だよ、ソラ。千冬姉は優しいから」

私は一夏君の一言を聞くと後ろから顔を出した。

「ソラ……星神ソラです」

「それではソラちゃん。帰る家が無いのと親御さんが居ないのは本当なのか?」

「はい……本当です」

力無い言葉で悲しい事実を千冬に告げる。

「ねぇ、いいでしょ。千冬姉いっしょに暮らしても」

一夏君は必死で頼んでくれている。

「しかしだな、一夏」

「だめ?千冬姉。」

一夏は泣きそうな顔で言う。

「駄目だよ、一夏君困らせたら。物事には仕方ないこともあるんだよ」

「でも――」

一夏君は煮え切れないみたいだった。

「一夏君、私はその気持ちだけで十分嬉しいよ」




私はこの子は本当に子供なのかと思った。
そして、この子の目を見て驚いた。平然としているがなんて悲しい目をしているのだろうと……。

「ふぇ……?」

千冬はソラのことを抱きしめた。

「ソラ……家で暮らしなさい」

「えっ……いいですか?」

「ああ、子供の一人や二人あまり変わらないからな」

「それじゃあ!」

一夏君は笑顔を浮かべる。

「ああ、それでは今日からソラは私たちの家族だ。私は一夏の姉の千冬だ」

千冬はソラに笑顔で話しかける。

「あ、ありがとうございます。千冬お姉ちゃん」

「か、可愛い……」

その様子に心を刺激されたのか、千冬はソラをさらに抱き締める。

「あ、あの……」

ソラは突然の事態に戸惑う。

「す、すまない!つい……な」

「いえ、あの……もう一回してくれませんか」

ソラのお願いですぐに抱きしめる。

「ありがとうございます。……ぐすっ」

ソラは抱きしめられると瞳から涙をこぼした。

「すっ、すまない!強くし過ぎてしまった」

「……違うんです。ただ、家族って温かいなぁと思って」

……思いもしなかった答えだった。あの涙は家族に餓えていると伝わってきた。

「遠慮はするな、私達は家族なんだからな」

「うん。一夏君、千冬お姉ちゃんこれからよろしくね」

私はこうして新しい家族に巡り会うことが出来た。

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