駆け抜けろ!!

□最低な奴ら
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「今日はオツキミ山越えてハナダシティ行くよー。」

「…なぁ音羽、強弥が起きてこないんだけど。」


そんな逞の一言を聞いて振り返ってみると。

綺麗な菖蒲色の髪をした男の人が壁にもたれかかって寝ていた。


「……え、逞?」

「擬人化したみたいだな。」
「それだけ音羽の事を信用してんだろ。」

「そっか…。」


思わず口元が緩む。

私を信用してくれてる…。
だったら私ももっと信用しなくちゃね。


「強弥、起きてー。出発するよー?」

「…ん…音羽…。」

「ん? 何?」


呼ばれたから強弥に近付いてみる。

寝呆けてる強弥むっちゃ可愛いんですけど。
癒しだわー。


「好き…だ。」

「………え、」


まさかの不意討ち攻撃。

うわぁ顔が熱いよ…。
強弥って天然タラシ?


「なっ…。す、すすす好き?!」

「純情無垢か。何なら私も言ってあげようか?」
「いい!! お前に言われたりしたら鳥肌が立つ!!」

「まさかの即答…。まぁ私は優しいから? 許してあげるよ。」

「うわ、上から目線。」



何やら逞の声が聞こえた気がしたけど、気のせいだよねー。
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