輪廻の中から抜け出して

□39 幸せに
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「ライラ、どうか幸せに。」


俺はそういいライラに幻術をかけた。そのまま崩れるライラを抱きしめ、そのまま部屋まで運び家をでた。
つくづく勝手な男だと自分でも思う。あれだけ愛している女一人幸せに出来ないのだから。
俺はイズナを死なせてしまい、全てにおいて自信がなくなってしまった。イズナと最後に約束したことも果たせそうにない。それにどうもライラを幸せにしてやることができそうにないのだ。最後に見たライラの顔も泣いていた。
きっとライラは柱間がつくる平和な世界では笑って暮らせるだろう。
いっそ俺のことを忘れて幸せになってほしい。
そう願ったが、やはり自分の記憶を消すのがためらわれ、俺は只の幻術をかけた。なんて女々しいのだろう。
俺のほうこそライラを忘れることが出来なかったのだ。
俺はイズナがくれたこの力で最後まで戦い、少しでも死んでいったものたちの無念を晴らすと決めた。

家をでると俺についてきてくれると言った何人かが家の前にいた。ヒカクにはこのことは言っていない。あいつならライラを守ってくれると思ったからここで死なせる訳にはいかなかった。

「マダラ様…」

「お前ら、本当にいいんだな」

「はい。私達は最後までマダラ様とともに行きます。」

俺を慕ってくれる芯のあるやつはもうこいつら位しかいないのかもしれない。
こいつらもきっと、今日の戦いで…

俺はそっと目を閉じた

「ありがとう」

そして俺の目はイズナがくれたこの新しい万華鏡写輪眼になっていた

「行くぞ」


その声と共に俺たちは千手に向かった。







「マダラ…もうこんな無意味な争いは辞めようぞ」



「無意味だと?ならば何故イズナは死んだ!?」

イズナの死が無意味だとでも言うのか?あいつの死は俺に力を与えてくれた。あいつは最後まで自分の信念を貫いたんだ。

「この前の傷が元で弟は死んだ。うちはを守るために俺に力を残して!」

「休戦協定の書状は送ったはずだ!うちはを守るならもうこんな戦いは止めようぞ」


俺は須佐能乎をだした。

「柱間ァ!いつまでもガキのようなことをいっている!腑を見せ合うことなんてできやしねーのさ!」


そして俺は柱間に襲い掛かった。


やはり柱間は手強く、なかなか決着がつかなかった。
俺についてきてくれた奴等はもうほとんどやられてしまったようだ。
今頃ライラは何をやっているだろうか。
自分から残していった女のことを考えるなんて俺はどれだけライラのことが…
戦いに集中しなくてはいけないと分かっていても、どうもライラのことが気になって仕方がなかった。

そして1日続いた戦いの末、俺はついにチャクラが切れ地面に背をつけた。

『マダラっ』

朦朧とする意識のなかついにライラが俺を呼ぶ声がした。

俺は結局最後の最後までライラのことで頭がいっぱいのようだ。


あぁ、ライラ。どうか幸せに。

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