輪廻の中から抜け出して

□34 あの人の運命
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《私の名前はシャシ。貴方は私の生まれ変わり。》

気づくとそこは夢の中で私は例のあの人の前にいた。
ここは夢の中とは思えないほど意識がしっかりとしている。

『生まれ変わりって…。貴方は六道仙人の娘なの?』

《いかにも。》

目の前にいる自分そっくりなその人はどうやら本当に六道仙人の娘であるようだった。だとするとここは私の精神の世界。

『貴方は私にどうして欲しいの?』

私が尋ねると六道仙人の娘、シャシは私の目を見つめ一歩ずつ近づいてきた。

《私はインドラ兄様のところへ行くことが出来なかった》


『…』


《だけどライラ、貴方は今私の望み通りうちはにいる。》

『私は貴方の望み通りに動いた訳じゃない。マダラのことが…マダラを愛しているから側にいるだけです』

《そうか、ならばもう私はこの世に未練はない》

シャシは私の目の前まで来るとそっと私の頬に手を添えた

『っ!』

《うちはマダラ。あの人の側にずっといなさい。これは貴方の運命でもある》

『えぇ、シャシさん。言われなくてもそうするつもりでした』

《やっとこの世から去れる》


そう言うと彼女の体から光がでだした。そしてしたの方から徐々に消えていった。

《この世界を私の分まで見届けてくれ。そしてマダラと共に平和な世界を築いてくれ》


『えぇ、私は最後までマダラ共にあります』


私がそういい終えるよりはやくシャシさんはそこからいなくなってしまった。

そしてすぐに夢から覚めるように私は布団から起きた。

既に初めてこの夢を見てから1ヶ月ほどたっていた。内容は日々濃くなっていってはいたが此処までのことはなかった。あれは夢ではない。確かに私はあの六道仙人の娘、シャシという名の一人の人間と会話をしていたのだ。
これで色々と自分のなかで気持ちを整理することができたきがする。
例えシャシの生まれ変わりだとしても私は私だ。マダラの元に来たのだって自分の意思できた。そして此れから先も自分の意思でマダラと共にありたいと思う。


『貴方の分までこの世界を…』


私は独りでにそう呟き部屋をでた。


「おはようございます」

部屋からでるとすぐにひすいにあった。

『おはよう』

「ご準備は終わりましたか?」

『うん、大方終わったよ』

そういいまとめておいた袋をみせるとかんながやってきた。
「ライラ様...。いってしまわれるのですね」

『何を永遠の別れみたいに言うの。またすぐに戻ってくるんだからさ』

「お気をつけて」

『うんありがとう。』

そういい私は荷物を持ってマダラを探しに居間へ行った。
案の定そこにマダラとイズナがいた。


『おはよう』

「おはよう」

「支度は?」

そういわれ私は先ほどの袋をまた見せた。

「すまないな」

『ううん。私でも役に立てるならうれしいよ』

「長ければ一月ほどかかるかもしれない」

『そうだね。皆と会えなくなるのか...』

「嫌なら断ることも...」

『大名様からの命令だもの。断れないよ』

そう、昨日大名から私に直接依頼が来たのだ。それは至って簡単で大名たちご主催の大会がありその優勝者に記念品を需要するだけであった。しかしその大会中もずっと見ていなくてはならないらしく、その期間はやく1ヶ月ほどであった。各国の大名が参加するだけあって期間が長く規模も大きいらしい。そんな貴族の遊びなんて本来は忍とは無縁なのだが…


「帰って来たくなったらすぐに戻ってこい」

『うん。マダラ達こそ、何かあったらすぐに連絡頂戴ね。』

「あぁ、」

「ライラ、きをつけてね」

『うん。』

そうして私は家の外にでた。
お見送りにはマダラがついてきてくれることになった。

「ライラ、少し顔色が悪くないか?」

『そうかな…?』

「何かあったのか?」

私は今朝の夢のことを話した
マダラは難しい顔をしていた。

「そうか、でも良かったな。」

『うん。シャシもちゃんと成仏できたはず』

「俺もライラ自信を愛している。」

『うん』

「だから心配するな。何かあったらすぐに駆けつける」

気づくとうちはの集落から大分離れたところに来ていた。

『マダラ…。死なないでね』

「何を言っているんだ。俺は死なない。死ぬときはライラと一緒さ」

『うん。』

「俺はここら辺で」


マダラはそう言い足を止めた。

私は数歩先にでて振り返った
マダラの顔をみるととてつもなく行きたくなくなってしまった

「ライラ、」

『いってきます』

私はそう言い走り出した

そして大分走ってから後ろを振り向いたがそこには森しかなかった。
私は口寄せでサンを呼び出しその背中にのって行くことにした。

「どうした、うかない顔をして」

『なんか凄く嫌な予感がするの』


私がそういうとサンは黙った。
そして暫くすると「何もなきゃいいけどな」と一言だけ発した

其から暫くは沈黙が続いた



それから結局大名の城につくまでのあいだ私の胸から嫌な予感がなくなることはなかった

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