輪廻の中から抜け出して

□30 子供は天使いや悪魔だろ
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『ただいま』




「随分と遅かったな」



『色々とね。イズナはどうしたの?』



「イズナは用事があるとかで明日の朝に帰ってくるらしい。それより」




彼はロキを見ると明らかに嫌そうな顔をした


「お前、どうしてそんなに汚れてるんだ」


「えっとね、大くんとお砂遊びしたの!」


『ご飯の前にお風呂入らないとね』



「僕ライラお姉ちゃんと入る!」




「なっ!」




『そうね、一緒に入りましょうか』



「なにを言ってるんだライラ!」


『マダラこそなにいってるのよ。ロキはまだ小さいのよ』


「しかしだな・・・」



いくら子供と言ってもライラと一緒に風呂まで入らなくてもいいだろう


俺が渋い顔をして考えているとロキは俺の手を握って引っ張った



「お兄ちゃんも早く入ろうよ!」


「俺もか!?」



「3人で入りたいよ!」



「いや、しかし」



俺が眉間にシワを寄せるとロキの目には涙が・・・



「わっ、わかったから泣くな!」



「やったぁ!早く早く」



ドタバタとロキはお風呂まで走っていった




「はぁ」


『ふふっ、3人で入る何てなかなかないわね』


「そうだな」



今度イズナとでも入るなんて、冗談のつもりで言ったのに彼は本気で怒ってきたので私は彼のてをとってロキがいるお風呂まで行った
















『着替えはここに置いとくよ』


「あぁ、悪いな」


「お兄ちゃん、お姉ちゃん早く!」



ロキは裸でキャッキャと走り回っていた


「こら滑るぞ」


マダラは服を脱ぎ終え先に浴場へ入っていった


私はタオルと着替えを用意し浴場に入った



「こら、じっとしていろ」


私が浴場に入るとマダラがぎこちない手でロキの頭を洗っていた


「凄いー!広い!温泉みたい!」





「まぁ、温泉と言えば温泉だがな」




『えっ、そうなの?』



「知らなかったのか?これ一応は天然温泉だぞ」



知らなかった・・・


まぁ、気にしたこともなかったけど



「相変わらずアホだな」




『むっ、アホって何よ』



バシャッ


私は桶にお湯をくみ、マダラにかけてやった


「なっ!なにをする!」


「お姉ちゃん凄い!!」


『ふふふ。ロキも今度やってみなさい』


「はぁ、全く。こら動くなよ」



マダラはガシガシと雑にロキを洗っていた


私も一先ずは自分の体を洗うことにした













「よし、終わったぞ」



「やったぁ!お兄ちゃんありがとう!」



ロキは走りながら湯船にダイビングした


「ふぅ」


『お疲れ様、お父さん』





「誰がお父さんだ」





そう言ってみれば否定の言葉を言うが顔は満更嫌そうでもなかった


『お背中おながししますよ』



「あぁ。頼む」


私がマダラの背中を流しているとロキがこっちにやって来た



「早くお姉ちゃん達も入ろうよ!」



『はいはい。ちょっとまっててね』



私は一通り流し終えるとペチンと背中を叩いた


「!なんださっきっから。」



『頑張れお父さん!』



「いや、だがら俺は」


「早く早く !」


ロキはマダラの手を掴み湯船まで走り一緒にダイビングした



危ないだろう!


マダラの言葉を無視してマダラにしがみついてるロキは凄いと思う


私はダイビングではなく、普通に湯船に入った



「お姉ちゃん!」


『ん?なぁに?』


ロキはすりすりと寄ってきて



「どうしてお姉ちゃんのほうがお兄ちゃんよりふかふかしてるの?」



『「ぶっ」』


思わぬ質問についむせてしまった



『なんでって言われても』


「だってほら、お姉ちゃん凄く柔らかくて気持ちいいよ」



ロキはそういい私の胸辺りに顔を埋めた




「ロキ、いい加減にしろ」


マダラはロキの腕を掴み私から離そうとした


「えー!なんで!あっもしかして・・・、お兄ちゃんもやりたいんだね!」



ロキはそういい譲ってあげるよといい、ニコニコしていた









「『・・・、』」







「・・・・・・じゃあ、」






『いいわけないでしょ』




私はこちらに迫ってきたマダラにお湯をかけた



「何をするんだ」


『いやいや、此方のセリフよ』



「お兄ちゃんやらないの?」





「・・・はぁ、やらん」





『ほらロキ、出るよ』


「うん!」


ロキはそういいまた走りまっわった



チラッとマダラを見ると結構ショックだったのか少しふてくされていた



しょうがないやつだな


『マダラも出よう?』


私が手を出すとマダラは顔を上げ嬉しそうに手を掴んだ

手を引っ張ろうとしたら足元が滑って後ろに転んでしまった




『いっ、』


「大丈夫かっ?」



『うん・・・って』


転んだせいだ今の体制は私の上にマダラが馬乗りになっていた


「お兄ちゃん、お姉ちゃんはやく!」


『「!!」』



バッドタイミングでロキがこちらにきた


「なにしてるの?」



『いやっ、これはその・・・、』


マダラはさっと私の上からどいた


「楽しそう!僕もやりたい!」




「大人の遊びだがらな。お前にはまだ早いから駄目だ」


「えっー!」



「ほら行くぞ」


そういいマダラはロキと先に上がった



よし、私も上がりますか



















えっまてまて、なんて嘘ついちゃってるの?



完全にあれだよね


駄目だよね






「ライラ体冷えるぞ」



『えっ、うん』


まぁ、いっか


ロキはまだ子供だしなんのことかわかってないしね













私たちは着替えて食卓に行った






「あっ、兄さんたち。お風呂入ってたんだね」


「イズナか。早かったな。用事とやらはおわったのか」



『あっイズナ!随分と早かったね、待っててご飯用意するから』


「うん。ありがとう」


私はご飯を作るため台所にいって支度をした









「ロキ髪をしっかり乾かせ」


マダラはロキの頭にタオルをのせ、ごしごしと拭いていた



「ふふっ。兄さんロキの父親みたいだね」



「全く、お前もライラも。だいたい俺はそんなに年ではないぞ」


「ハッハッハ。そうだね」



「お兄ちゃんくすぐったいよ」


「こらじっとしていろ」






『ご飯出来たよー』



「やったぁー!ご飯だ!」



バタバタっ



ロキはいち早く机の前に座った


「このお魚なぁに?」


『秋刀魚っていうのよ』


「秋刀魚?食べたいー!」



『はいはい。ちょっと待ってね』


「全く騒がしいやつだな」


「今日も美味しそうだね」


マダラとイズナも机の前に座った



『よし、皆揃ったね』


「「「『頂きます』」」」









「あのねあのね!」


それからロキの話というなの暗号が始まった



「あのね、大くんとね、トンネルで握手したの!」



『砂山を作ったのね』


「うんそれでねそれでね」



やはり子供がいるとこんなにも賑やかになるのか


「あっ!今日お風呂でね」




「『ギクッ』」


冷や汗がでる


「ライラ姉ちゃん凄く柔らかかったよ」


「ぶっ!そっ、そうなんだ」


イズナが、困ったような顔をした



「それでね!僕がお姉ちゃんのお胸にすりすりしたらマダラお兄ちゃんに怒られてね、譲ってあげたの」



「『・・・』」



言わないで


心の中でそう言ってみたが意味はなかった




「そしたらね、マダラお兄ちゃんがライラお姉ちゃんにすりすりしようとしたらマダラお兄ちゃんお湯かけられちゃったんだよ」


「へぇ、そうなんだ」



イズナが白い目でマダラを見た


「いやっ、それは」



「そのあとね、マダラお兄ちゃんとライラお姉ちゃん二人で遊んでたんだよ!ずるいよね!」



「へぇ・・・。ロキ、二人はどんなふうに遊んでたの?」


「いっ、イズナ!」


兄さん少し黙ってて


その言葉でなにも言えなくなるマダラ



「えーっとね、お風呂でマダラお兄ちゃんがライラお姉ちゃんの上に乗ってたの」



「・・・」



「いやっそれは事故でな」



「あっあとね、僕も入れてっていったらマダラお兄ちゃんが大人の遊びだから駄目だって言われたんだよ!」




「兄さん・・・見損なったよ」



イズナはご馳走さまといい、部屋に戻ってしまった



「『・・・』」



「あれ?イズナお兄ちゃん食べるの早いね、」



ロキが呑気な顔をして言うもんだからお前のせいだって言いたくなった



こりゃ、暫く口聞いて貰えないな



マダラのほうを見るとものすごく落ち込んでいるようだった









子供は天使!いや悪魔だろ





(兄さん、幾らなんでも子供の前でそんなことしちゃ駄目だよ)
(いやだからあれは事故なんだ)
(えっなに?聞こえなかった。もう一回言って?ニコッ)
(もう二度としません)

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