輪廻の中から抜け出して

□29 土汚れは落としづらい
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お父さんさ、お母さん


どこにいるの?

本当に死んじゃったの?


僕を1人にしないで




ロキ



僕を呼ぶのは誰?


ロキ





『ロキ・・・、ロキっ!』



「っ、お姉ちゃん・・・?」


『大丈夫?すごいうなされてたよ』




「お姉ちゃん!」


ロキはライラに抱きついた


「またかっ!」


『よしよし、大丈夫?』


「うん、お姉ちゃんあったかぁいー!」


ロキはそう言いながらライラの胸に顔を埋めていた


「ガキっ離れろ!」


『ちょっとマダラ!』


「うっ、うわぁぁぁぁん!」


「なっ、泣くな!」



「兄さん・・・、」


『ロキはまだ子供なのよ・・・、』


「っ・・・分かった」



マダラがロキを離すとロキは直ぐ様ライラの後ろに隠れピタリとくっついた



「お姉ちゃん、あの人怖い・・・」


『よしよし怖かったね、』




「くそガキめ、」

「兄さん、あんなちいさいこに嫉妬は見苦しいよ」





「ちっ」




マダラは舌打ちをするとロキに近づいていった



「おい、ガキ」



「ガキじゃない!ボクはロキだっ!」



このガキ、この俺にそんな目を向けるとはな

なかなかの度胸だな


「ロキ、お前はどうしたい?」


「・・・」


下を向きロキは俯いてしまった


「ここに住むか?」

マダラはいつもより優しい声で話しかけた





「やだぁ・・・、」




ロキはポロポロと泣き出してしまった




「おっ、おいっ泣くな、」


「『また泣かせた』」


「ちがっ、これは」


「うっうっ、お父さんとお母さんのところに帰る!」




「それは・・・、」



マダラは少し困った顔をしてロキと視線をあわせるため膝をついた



「お前の両親は・・・、」



「死んでないよ!!」



「「『!!』」」



「お父さんと、お母さんはまだ生きてるもん」




「しかしだな・・」

「ボク探しに行く!」

ロキは外に飛び出そうとした



『ちょっと待って!』




ライラは逃げるロキを後ろから抱き抱え捕まえた




『私も一緒に手伝うよ』


「ライラっ、なに勝手なこといってるんだ」


『この子の両親は生きている』



「何を、根拠に・・・」


『この子の仲間のところにかえしてあげなくちゃ』



「いいの・・・?」




『勿論よ』

「兄さん、仕事はやっといてあげるよ」

「・・・つまりどうしろと?」


「ライラとロキだけでいかせるわけにはいかないでしょ」


「だが・・・」



コソッ「ライラがロキにとられちゃうよ」





「!!明後日程には出るぞ。今日は休んでおけ」

『!!ありがとう!ほら、ロキも』


「あっ、ありがとうお兄ちゃん・・・」



「ふっ、今日はゆっくり休め」



マダラはそう言い出ていった



「僕もそろそろ仕事をしに戻るね、お守りよろしくね」


そういい、イズナも出ていった




『よしっ、私はライラ改めてよろしくね!』


「うんっ」


ライラが手を出すとロキはライラの手をギュット握った




『どこか行きたいところとかある?』



「え・・・、」





『そっか、何があるかわからないよね。それじゃあ食べたいものとかある?』



「食べたいもの・・・、分からない。」


そうか、この子の一族はこの戦乱を生き抜くのには難しい

食料も貧しいその集落では満足に食事もできなかっただろう


『ロキ、ついてきて!』



私はロキの手を握ったままあるきだした


「どっどこいくの?」



『うーん、観光?』



「観光・・・、」


『そうそう、いいから黙って着いてきなさい』




私は取り敢えず朝食を、とることにした



やっぱ、食べることは大事よね



『ここよ』


「そ、ばや?」


『そう、蕎麦屋。食べたことある?』

「うん、蕎麦なら何回か・・・、」

『そう、おいしかった?』

「うん!」

ならば問題はない



ガラッ


『こんにちは』



「いらっしゃいませ、ライラ様
!」



『こんな朝早くにすみませんお蕎麦2つお願いできないかしら?』



「勿論でございますよ」


店主はそういい蕎麦をつくりはじめた


私とロキが椅子に座ると、店主の妻がお茶を持ってきてくれた


「ライラ様、その子はもしや、」



『この子はロキっていいます』


私がロキをちらっと見るとロキは軽く頭を下げた


「秘密にされていたのですか?」


んっ、秘密?



あぁ、この人はロキが私とマダラの子供だと思っているのか



『変な勘繰りはやめてくださいよ。この子は私たちが預かっている子です』


「あらっ!私としたことが、ついマダラ様との・・・。申し訳ありません。」



『いえいえ。』


「蕎麦でございます」


他愛もない話をしているうちに蕎麦ができていた




「たっ、食べていいの?」



『勿論よ。なんのためにつれてきたと思ってるの』



「いっ、頂きます」



ロキはそういいチマチマと食べだした



うん、可愛い





『どう?美味しい?』




「おいしいっ!すごく美味しいよ!」




『ふふっ、そうでしょ。私もマダラとよくくるのよ』



私も蕎麦を食べ始めた



『うん。いつきても美味しいわ』



「そんなに歓んでもらえるとつくったかいがあります」














「ご馳走さま!」

『ご馳走さまでした』



「またお出でくださいませ」





私とロキは蕎麦屋を出た


時刻は9時過ぎ、


人通りも増えてきて周囲の人がこちらに注目しているのがわかる



さて、困ったもんだ



さっきのおばさんみたいに、変な勘違いをされても困る



確かに、私が子供と手を繋いで歩いていたら勘違いしてしまうのも納得いくが




『まぁ、いっか』



「?どうしたの?」


『ううん、なんでもない。ところでロキは何かやりたいことある?』




「うーん。鬼ごっこしたい!!」



『おっ、鬼ごっこ!?』



うん、私が馬鹿だった


そうだよね
こんな小さい子になにやりたいって聞いても、答えはわかりきってたよね



どうしたもんか



私と二人で鬼ごっこは流石に無理である


やはり子供同士でやった方が楽しいだう




『それじゃあ、広場に行ってみようか』



「うん!」



広場ならうちはの子供たちがよく集まって遊んでいるはず



私はロキとてを繋いでそこまでむかった











『凄い賑やかだね』



広場には案の定子供たちが走り回って遊んでいた


「いってもいい?」



『いいよ、遊んでらっしゃい』




そう言うや否や ロキは走り出した




私はどうすればよいのか



辺りを見わすとすぐ近くのベンチ辺りで子供たちの母であろう人たちが座って話をしていた



ママ友というやつか・・・、



私はママではないが、子供ができたらこんな感じだろう



少し練習してみようか




私は勇気を振り絞って母親達のところに話しかけてみた


『あの・・・、』




「はぁい?って、ライラ様!!」



「ライラ!?なぜこんなところに」




『いやぁ、今ある事情で子供を預かってまして・・・、時間を潰そうと』



「そういうことですか。私達で良ければご一緒にお話いたしましょう」



「私もライラ様とお話してみたいですわ」


「噂以上に、近くで見ると美人ですね」



『いえいえ、そんなことないですよ』



私は顔を赤くして少し俯いた


「あら、なんと可愛らしい!」





「やはりマダラ様の奥方だけありますわ。」






「ところで、プロポーズはどちらからなされたのですか?」





『あのっ、えっと・・・、マダラから、』




「きゃー!あのマダラ様からプロポーズされたのですか!」



「羨ましいわ。マダラ様みたいな頼りになる強い人が主人で。私の主人なんかひょろひょろですのよ」




『ふふっひょろひょろだなんて、うちはにはそんな方いませんよ。皆頼りになる』



「いやいや、ライラにも見せてあげたいわ」



「ところで、マダラ様はご自宅だとどんな感じでしょうか?」


『そんなに、外とは変わらないですよ。喋る頻度は上がりますが』


「あの無口なマダラ様が!」




「マダラ様はあまりお喋りしなそうなイメージがありますわ」




『まぁ、特別沢山話すという訳ではないんですが。』



「お子さんはつくらないのですか?」



『こっ、子供は・・・、』



私の顔はまた赤くなってしまった



「やはり、マダラ様とライラ様のお子様ならさぞかし美人でありますよ」




「髪の色はどっちでしょうかね」



「私は#NAME1##に似て綺麗な金がいいですわ」



「私はマダラ様のように漆黒がいいわ」





おぉ



ママさんパワーはスゴいと思い知らされた




こんな話をしているうちに時刻は1時であった


「あらっ、もうこんなお時間」



「ライラ様よろしかったらご一緒にどうですか?」



一人のママさんが、手作り弁当を取り出した



『いえいえっ!お構い無く』


「遠慮せづともいいのですよ、さっさ、お食べになられて」



『それではお言葉に甘えて・・・、』



私がそう言うとママさん達はバッグからシートを取りだしそれを地面にひいた





それと、同時に子供たちも走ってきた



「お姉ちゃん!」



『あらっ!ロキ、そんなに汚して』


ロキはとても鬼ごっこだけとは思えない汚れかたをしていた




「さぁさ、食べましょう」





私もロキもそのシートに座りお昼をごちそうになり、食べおわるとロキと、子供たちはあそびにってしまった









ロキご戻ってくる4時ごろまで私はママさん方に猛烈な質問攻めを食らっていた




「そういえば・・・、この間は大丈夫でしたか?」



この間とは多分私が千手に捕まったことだろう


『はい、お陰様でぴんぴんしてますよ』



「やはり、マダラ様がお助けに?」




『まぁ、はい。そんな感じてすかね』



正確には迎えに来てもらっただけだが



「羨ましい限りですわ!」



「最近はライラ様も戦場に立たれるのですよね・・・」


『はい。最近は私も最前列で戦うようにしています』



「うちの主人が言ってたわ。ライラ様の戦いは美しいと」


「うちの主人もよ。相手方も見とれてしまうほどだとか」


「流石はライラ様!うちはの誇りですわ」


『そんなことないですよ。私がいても只の足手纏いです』



「何てこというのですか!ライラ様のお陰様もあって以前の千手との戦いに勝利することができたそうではないですか」


「うちの子にも忍術を教えて欲しいわ」



「うちにも是非!」


「私のところにも!」



『ふふっ、私で良ければ今度時間のあるときにでもお教えいたしましょう』





「お姉ちゃん!」




『さっきよりも汚れてるじゃない』


「そうかな?さっきと変わんないよ」


いやいや、身体中真っ黒ではないか


早く屋敷に帰ってお風呂に入らなくては


『そろそろ、』


「そうですわね。日も暮れてきたことですし今日はお帰り致しましょうか」


『それでは、又の機を』


「今度また是非おこしてください」



私は軽く会釈をし、ロキと帰っていった

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