輪廻の中から抜け出して

□28 大人気ないね
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「ライラ、」


『んっ?どうしたの?』



「たまにはイズナと三人で外にでも出ないか?」


『行きたい!でも・・・、』



今は戦乱の世

この間千手との戦の後で多少なりとは酷くはないが


「それなら心配いらん」


「なに勝手なこといってるんだ兄さん。仕事全部ヒカクに押し付けて」


「・・・」



『そうだったのね・・・、』



ヒカクさん可哀想に







『よし、いこう!』



「ちょっとは同情してあげなよ、」

「同情するぐらいなら楽しんだほうがヒカクも喜ぶだろう」


「・・・、」


この夫婦は自己中であったことを改めて思い知らされたイズナであった


『っていっても、どこにいくの?』


「この間まで戦があったところだ」

『なんでそんな物騒なとこなのよ!?』


「兄さんも一応頭領だからね、偵察もかねてだよ」


『そういえば一応頭領だったね』


「一応ってなんだ一応って、」


「それじゃあ行こうか」


「はぁ、」


いじけるマダラを無視して私たちはうちはを出ることにした




最近マダラの扱いが酷いのは内緒☆ミ








「ここらへんだね」

『酷い・・・、』

「随分だな」


そこは死骸の山と化していた





「生き残りは無しか・・・、」

「そうみたいだね」

『口寄せの術』



ぽわん



「よぉ、・・・ちっ、マダラもいるのか」


「ライラなんでこんなの呼び出したんだ」


『サンは鼻が利くからね。』


「人がいるかいないかすぐわかるんだね」

『そういうこと』



「またこきつかうのかよ・・・、」


『んっ?なんかいったかしら?』


「なんでもない」



サンは渋々人を探し始めた



「ここ・・・、下になんかいるぞ」


「ここほれワンワンだな」


『サン、人を探してるのよ』


「だから、ここの下に人がいるんだよ」


どうやら地面に人がいるらしい



「間違いない、掘れ、マダラ」


「なんで名指しなんだ」



マダラは渋々地面を掘った






ドサッ




ほんの数メートルも掘らないうちに空洞があった



「!!空洞になっているぞ」



『ほんとだ・・・、なんか声が聞こえない?』



「子供が隠れてるな」


サンが言うなら間違いないだろう

「俺は帰るぞ」


『ご苦労様』


サンは不機嫌で帰ってしまった

今度なんかあげるから許してね!



『ところで・・・、』



私は穴の中にいるであろう子供を探した


「こんなところに子供がいるの?」


「確かに気配はあるな」



『おーい!でておいでー!』


「そんなんで出てくるわけ、」


「うわぁぁぁぁんっ」



「出てきたっ!」


『うわぁっと』



ガシッ



中からは五歳ぐらいの少年が出てきてライラに飛び付いた



「うわぁぁんっ、お姉ちゃん、助けてぇ」




『よしよし、大丈夫だよ、落ち着いて』



ライラは少年の頭を撫でた



「なんだあのガキ・・・、べたべた触りやがって・・」

「まぁまぁ、相手は子供なんだから」

「ぼくお名前は?」


「うっ、うっ・・・、ボクの名前っは・・・、ロキって、いうの・・・、」



『そう、ロキっていうのね。ロキはどうしてこんなとこに居たの?よかったらお姉さん達に話してみてくれない』


ロキは手で涙をぬぐいながらトボトボと話しはじめた



どうやら両親が敵から見つからないよう掘っておいた穴で両親の帰りを待っていたらしい

しかし、そのぶんだと彼の両親はすでに亡くなられているだろう


食料は予め彼の両親がおいていったそうで今の今までその食料を食べていたそうだ



『っ、ロキ、もう大丈夫よ』



ライラは優しくロキを抱き締めた



「お姉ちゃんっ」

ロキもライラにしがみついた


「ボクのお父さんは?お母さんはどこにいるの?」


『それは・・・、』

「お前の両親は恐らくこの戦争で死んでいるだろう」


『ちょっ、マダラ!』

「兄さん!」


「嘘をつけとでも?それが本当にこいつの為になるのか?こいつの苦しみが増えるだけであろう」


たしかにそうなのかも知れない


変な期待を持たせても仕方がない



「うえぇぇぇんっ!」



ロキは両親の死を聞くなり大声で泣き出した


『ロキ・・・、』


ライラは頭をそっとなでた








「泣きつかれて寝ちゃったみたいだね」


「どうするんだこのガキ」

『うちに住ませるわ』


「!なにを言っているんだ」

『しょうがないじゃない。この子をこんなところに見捨ててくの?』


「っ、それは・・・、」

「兄さんしょうがないよ。この子も小さいし、うちはの者として育てれば問題ないよ」

「全く、」


『ふふっ、ありがとう』


ライラはそう言いロキを抱き抱えた


「かしてみろ」


マダラはライラからロキをとり、おんぶをした


「くくっ、兄さんが・・・、兄さんが子供をおんぶしてるっ」



『なかなか似合ってるわよ』


「うるさいぞお前ら」


マダラはスタスタ歩いて行った


『ちょっ、待ってよ』



ライラも急いで追いかけた




「くくっ、甥っ子の顔が早くみたいな」


イズナはポツリと呟くとすぐに三人のあとを追いかけた









(マダラって子供嫌いなの?)

(いや、特別嫌いではないが、)

(ライラがロキに取られちゃいそうだから気に食わなかったんでしょ)

(ちっ、違う!そんなわけないだろう)

(ふふっ、ロキの寝顔かわいい)

(聞いてない・・・)

(くそがきめ、)

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