輪廻の中から抜け出して

□27 彼なりの
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『んっ・・・』





なんと目覚めの悪い朝だろうか
身体中は痛いし布団が汗で張り付く



情事の後の気だるさはやはり良いものではない



ちらりと横を見るともう誰もいない
温かさもないところから随分と前に起きたのだろう


柱間さんと話したからか、昨日は何時もより荒かった気がする



全く、彼の独占欲には呆れるが其ほど愛されてるかと思うと微笑がこぼれてしまう私も私なんだろう



素早く着替えを終えてマダラを探すことにした





『それにしても、どこいったんだろう』

私がウロウロしていると翡翠が話しかけてきた

「なにかお探しでしょうか?」

『マダラを見なかった?』

「マダラ様ですか?今日は随分とお早くに出ていきましたよ」

『そうなんだ・・・ありがとう』


マダラが、黙って何処かいくのは初めてだった


大抵は前もって言っている


何だか変な不安が過り私はマダラを探すことにした















「ちっ、」

俺は本日何回めか分からない舌打ちをした



非常に苛々する


それはライラが柱間に拐われた時からであるが、他にも色々とライラ のことで苛々していた





守れなかった悔しさ


それも大いにある


しかし柱間とライラ、あの二人が話していたことがなんとも気に食わない


しかも俺と柱間が出会った頃の話し、

折角俺が隠してきたのに・・・



その苛々を昨日、情事中にぶつけてしまった己の小ささも腹立たしい


嫌われただろうか?



それが怖くて今日は朝早くに屋敷を出て仕事をしてきた



ライラに嫌われる、考えただけでも恐ろしい


ここは、イズナに相談してみるか?

弟にこんな相談しても良いのだろうか


「うむ・・・」


「兄さんどうしたの?」


「いっイズナ!」


なんと言うタイミング


これは神が相談しろと言っているのか

黙っていても仕方がない

よし、ここは勇気をだそう



「えっとな・・・イズナ。そっ相談が・・・あるのだが・・・」


「?兄さん大丈夫?何があったの?ひょっとしてケンカでもした?」


「・・・」


ケンカ、ではないが否定もできない




俺は腹をくくってイズナに全部話した






「くっくっくっ、」



「わ、笑うな!」

「だって、くっ、はっはは 」


「くっ・・・もういい」


「いやいや冗談だよ兄さん」


全くこの弟は地味に意地が悪いときがある


「心配しなくても、ライラはそんなことじゃ兄さんを、嫌いにならないよ」


「!・・・どうしてそう言えるんだ」


「うーん。兄さんだって、ライラを虐めたくてやってるわけではないでしょう?」


「そうだが・・・」


「寧ろ逆でしょ?愛してるからこそ。ライラがそんなことも解らないとでも?」



「確かにそうだが・・・、でもな・・・」



「全く兄さんらしくないよ!どうしちゃったのさ」


ライラのことになるとこんなにも駄目になるとは自分でも思っても見なかった

「そんな心配無用だよ、ねっライラ?」


「ライラ、何故ここに?!」




後ろを振り替えるとそこにはライラがいた


気配に気づかぬほどまで考え込んでいたらしい


『ふふっ。イズナが来たときから居たよ』



聞かれた、




恥ずかしい、
穴があったら入りたい

というより、今なら写輪眼で記憶を消せるんじゃ、
そうだそうしよう


『いやいや、駄目でしょ』


ライラはそういい俺に近づいてきた



女々しいと言われるか

愛想をつかされてしまったのか



どちらにしろ嫌な考えばかりがあたま
をよぎる



『マダラっ!』


「おっとっ、」


あまりにも勢いよく、飛び付いてくるから尻餅をついてしまった

『もう、可愛いんだから!』


「かっ可愛いだと!」


『そんな心配しなくても大丈夫だよ!』


ぎゅうぎゅうと締め付けてくるうでからも、その事が嘘ではないと言っている


「ねっ?いったでしょ?」


『イズナの言う通りだよ!全部解ってるって』


自分の胸に顔を埋めてくる彼女が愛しくてしようがない


「ライラっ」


俺はこれでもかというほど抱き締め返した

『ちょっ、マダラ!痛い・・・、』


「兄さんは不器用だから許してあげて」


『いや、本気で・・・、死ぬっ、』


「ライラ−!」



マダラなりの愛情表現


(本当に不器用ね)
(なにかいったか?)
(いいえ、なにも)
(今日はたっぷり可愛いがってやるぞ)
(遠慮しときます!)











天然なマダラを書きたかっただけ、懺悔しときます

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