輪廻の中から抜け出して

□26 大人になっても
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「ここぞ」




柱間さんは私のほうに振り返った



私も少しまえに進み柱間さんと肩を並べる



『わぁ・・・すごい景色』




こんなに見晴らしのいい場所がこんなところに在ったのか



「ここに俺とマダラの集落をつくる」



『その言い方だと本当につくるつもりのようですね』



「当たり前ぞ。俺はまだあの時の夢を諦めてはおらん」



この人の覚悟は凄く強いのだろう

何年たっても変わらない


なんて芯の通った人なんだろう




「ここの集落はな、子供が忍術を学ぶ学校をつくり、力量に合わせた任務を振り分ける上役をおき、子供を、戦場に行かせなくてもいい集落にする!」



『ふふっ。それはまた・・・なんて素晴らしい集落でしょう』


そんな夢のような集落があったならマダラやイズナと共にずっと幸せに暮らせるだろう




「やはり何回来てもこの場所はよいの」



柱間さんは目を閉じて深く息を吸った





当たりがすこしずつ明るくなってきている




どうやら一晩中話してしまったようだ


『そろそろうちはに帰らなくては、』



「もう帰るのか!もっとゆっくりしていったらどうだ?」



『わたしはうちはライラです。これ以上ここにはいられませんし、心配かけるのも嫌なんです』



「そうか・・・気をつけて帰れ」



『はい。色々と話していただきありがとうございました。』



私はペコリと頭をさげ一礼した




「そんなやつに頭をさげる必要ないぞ」




聞き覚えのある声がし、私と柱間さんは振り返った




『「マダラ!」』



「どこにいるかと思えば、こんなとこに居たとはな」



探したぞ

マダラはそういい私の肩を抱き寄せた



「柱間、返してもらうぞ」


「マダラ・・・お主は覚えておるか?この場所を」




「さぁな、」



マダラは素っ気なくいうと柱間に背を向けた



「今日はライラを取り戻しに来ただけだ。闘う気はない」



「マダっ、」



「だが、次会ったときは容赦はしない」




マダラは柱間に写輪眼を向けると私を横抱きに、して走り出した






『マダラ!恥ずかしいから自分で走るよ!』


「別に今更・・・気にすることはないだろう」


まぁ
確かに今更だが、何回やってもこの体制には慣れない


私が少し暴れるとマダラは下ろしてくれた



「どうした、今日はやけに機嫌が悪いな」


『機嫌が悪い訳ではないよ、ただ・・・久しぶりに二人で並んで帰るのもいいかなと、』


「ふっ、そうだな」

私がマダラの隣に並ぶとマダラは私の手を握った



「ところで、ライラは彼奴と何を話していたんだ?」


『えっとね・・・マダラと柱間さんのなれそめ?』


「なれそめ・・・だと?」



マダラは眉間にシワをよせ明らかに不機嫌オーラを放っていた


「寒気がするな」

『ごめんごめん、冗談よ』



まぁ、半分ほど合ってはいるけど




『まぁ、土下座されたぐらいかな?』


「土下座?何故だ?」


『うーん、なんか、私の両親のことで、』


「そうか・・・あいつが」


マダラはまた眉間にシワをよせていた


『早く平和になればいいのにね』



「そうだな。」



私は握るちからを少し強めた



「俺はライラと居れればそれでいいがな」


この人のは恥ずかしいことをさらっと言うときがある

私は赤くなった顔がバレないように少し顔を下に向けた




『私も』




やっとの思いで出た言葉はこれだけだった



幸せじゃない

そう言ったら嘘になる
だって好きな人と一緒にいれるから

でも、もっといい道があるのではないかと思ったこともある


『私はずっと隣にいるよ』

私は小さい声でいった

「?なんか言ったか」

そう、私はついていくだけなのだ





『なんでもないよ!』





その日私とマダラはうちはにつくまでずっと手を繋いだままだった








(もう少しライラと話したかったぞ)
(落ち着け兄者、)
(だいたい何であのタイミングなんだ!絶対図っただろ、マダラのやつめ・・・)
(兄者、目が本気だぞ)





(ハックシュ!)
(大丈夫?風かしら?)
(そういえばなんか寒気もするな)
(熱はないみたいよ)
(おかしいな・・・ハックシュ!)

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