輪廻の中から抜け出して

□21 帰還
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「ライラ様ぁぁー!!」






あれから私とマダラはうちはへ無事に帰還し、マダラは戦の準備にすぐ取りかかっていた




敷地内に入るなり色んな人に叫ばれ、その旅に謝罪の言葉を述べていたため若干疲れてきた


中でもうちはの頭領、マダラの屋敷専属の使用人のかんなとひすいは今もなお私にこれでもかというほど密着している



「ライラ様ぁぁー!!」




『あーもうわかったから!耳元で叫ばないの!』



「ライラ様ぁぁぁ!無事でよかったぁぁー!!」





全くこの人たちは人の話を聞いていているのだろうか・・・




まぁ、心配してくれていたのは嬉しいんだけどね



『はいはい、二人とも心配してくれてありがとうね。私はこの通り元気だからさ!』



「どこもお怪我はされていないのですか??」



『うん大丈「この腕はどうなされたのですか!?」・・・』



かんなはライラの手首を指差した



『あぁ、これは縄の後だよ』


面倒なことになりそうだな


「「縄ー!?」」



「縄ってどういうことです!?」

「うぁーん!わたじのぜいでライラ様の美しい手がぁぁぁ」




ああぁー。またうるさくなっちゃったよ・・・



ハァ、案の定、うるさくなってしまいライラは小さくため息をした



すると後ろから人影ができた




「その辺にしてあげて」




「「イズナ様!」」


『イズナ・・・』















あれから、かんなとひすいは申し訳ありませんと深々と頭を下げ自分の仕事に取りかかった



『イズナありがとね、』

「いいよそれぐらいのこと。それより・・・」


おそらく、彼を含め私とマダラ以外は私が千手に狙われていることなど知らないだろう

これから戦いが酷くなっていくだろう

そうなってくると、私たちだけの問題じゃなく、一族全体に影響が出るかもしれない

やはりナンバー2のイズナにはいっておくべきだろう




『実はね・・・』













「そうだったんだね・・・」




イズナはどこか納得したような、悲しいような複雑な表情をした


「最近兄さんは一人で千手と戦うようにしていたんだ」



『えっ?』






マダラがそんな危ない真似をしているだなんて知らなかった



「僕も止めてたんだけど、兄さん聞かなくて・・・」




あのマダラのことだ
きっと、私と、一族を天秤にでもかけたんだろう




あぁ、なんて不器用な人なんだろう




「兄さんは、昔も今も変わらない・・・優しすぎるんだ」



『うん・・・』




イズナは眉間にシワを寄せていた



「何か困ったことがあったら二人で協力しようっていったのにさ・・・。何でも一人で抱え込んじゃうんだ」


『うん・・・』






「今度は僕もライラを守るからね。分かった?兄さん・・・」





私は、はっとして後ろに振り返った




「悪かったなイズナ・・・」



『マダラ・・・』





いつからいたのだろう
後ろに振り返るとマダラがたっていた

気配は全くないのに気づいたイズナは流石だと思う



「兄さん。僕にもちゃんと頼ってよね」



「あぁ、もちろんだ」



二人でどんどん盛り上がっているのを見て私はなぜだか仲間外れな感じがした



『私も・・・私も戦う』




「!!なにを言っているんだ、お前はねらわれているんだぞ。そんなやつを、戦いの最前列に、出すわけないだろう」



『私も戦わなくちゃいけないの。遅かれ早かれ千手とは決着がつく。その時をこの目で確かめなくちゃ・・・』



そう、それが六道の娘へのせめてもの償いになれば


自分の意思を貫き通せなかった娘にはさぞかし心残りがあるだろう



それゆえ、千手とうちはの行く末を彼女に、教えてあげたい





「そうだな、」

「兄さん!!」


「いいんだ、これはライラの意思だからな。それに頑固なライラは、言うことを聞かないからな」



『一言多いいのよ』



「ははっ。二人とも思ったより元気そうだね。よかったよかった・・・」



それから私は早速次の戦の作戦会議に出ることにしたのだった












(あっ、あれはライラ様ではないか?)
(本当だ、なぜこんなところに?)
(もしかして戦に、参加するのでは?)
(本気か!!いいアイディアだせば気が引けるんではないか!?)
(よし!俺も頑張ろう!)





その日の作戦会議は、いつもの10倍意見が出たそうな






(皆意欲的で偉いねー)
(クッソ、あいつら・・・)

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