輪廻の中から抜け出して

□20 その一言だけ
1ページ/1ページ













ライラ、お前を愛している




















愛している、その一言だけで今まであった憎悪がなくなっていった





この手紙が両親のという根拠はないが、両親のものだと思う




不思議と疑いの気持ちはなかった


むしろ、今さらになって両親への思いが良いものへと変わった


人間とはなんて単純なものなんだろう




たった一言で











『私は・・・』








目から涙が溢れだし気づいたらマダラの胸に顔を押し付けていた






「ライラ、お前は憎まれてなんかいなかったんだ・・・。お前は






愛されていたんだ」







愛されていた








喜び、
それと同時に、今まで何も知らず生きていた自分が嫌にもなった






『マダラ、私・・・なんてことを・・・』





「自分を責めるな。悪いのはお前じゃない、悪いのは・・・」






マダラの目は写輪眼となっていた








「千手だ」





彼の口から何回も聞いた言葉であるはずなのに、今日はいつも以上に憎しみの念がこもっていた



それは私自身も、千手に対して復讐心が芽生えたからなのだろうか




はっきりとした答えはわからない



だが、千手に対しての敵対心は今まで以上にました

















あれから、私はマダラと一緒に両親を小さい岡の上に運び、そこに埋葬した



『お父さん、お母さん、今までありがとう・・・こんな親不孝な娘をどうか許してください』


ライラは花を添えそっと呟いた



「ライラ・・・」



マダラはライラの隣に並び手を合わせた



「娘さんは必ず俺がお守りします。だから、どうか安らかにお眠りください」




サァーッ



まるでライラの両親が返事をするかのように風が吹いた




『マダラ・・・ありがとう』



ライラはマダラの肩に頭をかけて言っ





「ふんっ。なにを今更言っているんだ。」





『ふふっ。それじゃあ、行ってきます』



ライラはお墓に向かっていうと立ち上がった



「もういいのか?」



『うんっ!』








二人はゆっくりとうちはの方向へあるきだした














[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ