輪廻の中から抜け出して

□19 幼き日々の過ち
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マダラに抱かれながら、景色を見ていると、男のいっていたことは本当だったのだと思ってしまう



私の記憶の中ではこの村はもっと活気に満ちたものだった気がする



ほんの何十年でこんなになってしまうのだろうか

人の気配が全くしない





まぁ、外に出たことなどほとんどないのだが・・・

何故か懐かしいと思ってしまう

故郷とはそういうものなのだろうか





『なんか懐かしいな・・・』



「10年ぶりになるのか・・・?」



『懐かしいもなにも、何回かしか見たことないけどね・・・』




「ところでお前の家はどこら辺なんだ?」



遠い昔の記憶を振り絞り自分の家を思い出してみる




村の外れにあるのは確か・・・




『村の外れにあるのは解ってるんだけど・・・あと、外見が変わってなければ多分わかると思う・・・』


「ライラ、お前は後先考えて行動しろ・・・」



『うん。頑張る』


私が即答するとはぁ、と大きなため息をついた

全く何回ためいきするんだ


そんなことを思っているとマダラにあれかと聞かれた


その建物を見た瞬間、体に身震いが走る


確実にあれだ


無駄にでかい感じも、あのどこか冷たい感じも



『あれだ・・・』



マダラは家の前にくると私を下ろしてくれた


チャクラはまだねれないけれど、歩くことはできそうだ


私は10年ぶりに家に入った


入った瞬間、とてつもない異臭が漂った


臭いの強烈さに私は思わず鼻を覆ってしまった

マダラも顔をしかめていた



『まさか・・・』



嫌な汗が流れる



私たちはその臭いの方へ走った



『!!』



「これは酷いな・・・」




嫌な予感が的中してしまった


最近ことごとく嫌な予感が的中してしまう






私はよろよろと両親だったものに近づた









二人とも鋭利なもの、恐らくクナイかなんかで原型をとどめないほど刺されているのがわかった


所々血がこびりついていたため、しばらくやりあったのだろう



『・・・!?』



よくみると父親と思われる死体の懐に小さな紙切れが少しはみ出していた




そっと手を伸ばしその紙をとってみる


『これは・・・私??』




その紙は写真だった

父親の血がベットリとついているがシワがないところを見るときれいにとっていたようだった




「これは・・・間違いない
ライラだ」



マダラもその写真を見てやはり写っている少女を私だといった



いったいなぜこんなものを大切に取ってあるんだろう


私の頭のなかはパニック状態だった




「ライラ・・・」



マダラは私の頭の後ろに手を回し自分の胸に押し付けた



「ライラお前は一人じゃないんだ」


『うん。ありがとうマダラ・・・』

マダラの腕から離れると写真をもってあの部屋に向かった

マダラも黙って着いてきてくれた



ガチャ



あの部屋は相変わらずおてんとうさまなんて、拝めやしない薄暗い部屋だった


私がかつて閉じ込められていた部屋、いや牢屋といった方がよいのだろうか


今は鍵がかかってなく扉は開けっぱなしだった


10年ぶりになかに入ってみる



やはり何一つ変わらない、
この景色を見ただけで頭がくらくらする。




ガサッ



薄暗くてよくわからなかったが、何か紙のようなものが当たった気がした

よく目を凝らしてみると四つ降りにされた手紙のようなものだった




一度マダラと一緒に手紙を持ってそれを読むため明るい方へ行く




『 』




「ライラ・・・」



マダラはライラをそっと抱き締めた

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