輪廻の中から抜け出してU

□47 ガールズトーク
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マダラとライラが喧嘩をしてから早三日。その間はマダラにとってはまるで生き地獄だった。仕事中はともかく夜は、幼子顔負けの忙しなさであった。そんなマダラをみてライラは少し申し訳ないとも思ったが同時に気分爽快でもあった。


「やっと終わったぁ!」

「おぉ、それはめでたい」

いつもの部屋のなかでマダラが叫び柱間がそれに答える。今日も仕事をそこそこに二人で話し出す。本当に良い部下をもっていてよかった。

「この三日間、俺がどれ程までに自分を殺し続けたか誰も知るよしはないだろうよ」

「マダラよ、お主相当悪い顔をしているぞ」

「いや、今夜はどうしてやろうかと思ってな…」

ニヤリと笑うマダラに柱間は心の中でライラにドンマイと言った。この言葉が彼女に届くことはないのだがそうでもしないとライラが可愛そうで仕方なかった。

「ところであいつとはどうだったんだ?」

あいつとは誰のことを指しているのかは言わずもがな。この間千手に輿入れしてきたうずまき一族の女のことである。こんな男に輿入れするなど哀れな女だと思ったが話によると両想いだとか。男が男なら女も女だとマダラは思った。

「あぁ、ミトなら今日挨拶をしにここにくるぞ」

「はっ?今日?」

予期も、しなかった対面の予定にマダラはたじろぐ。だが古くからの友である柱間の嫁となる女だ。見たくない訳がない。一体どんなやつなのだろうとマダラが頭を悩ませていると不意にドアがあいた。


『おはようございます』

ドアの先にはライラがたっていた。盆の上にはお茶が三つのせられていたため、今日はここで仕事をするようだ。

「おぉ、ライラか。ちょうどいい。これからミトが来るから是非会っていってくれ。ライラに会いたがっていたぞ」

『えっ?……えっ?』

ライラは訳がわからないと言う顔をした。

『今からですか?』

そうだ、と頷く柱間にライラは驚いた。

『どっ、どうしよう!私今素っぴん!!』

「割といつもじゃないか。」

『でも、ご挨拶に来る人に対してきちんとした身なりじゃないと』

「心配ないぞ!そんなことは一々気にはせん」

ライラは腑に落ちない顔をしてマダラの隣に座った。一体柱間の妻になる女とはどんな人なんだろう。ライラはマダラと同じようなことを考えていた。たが、どんなに考えても今一想像しがたい。なんたって、この柱間なのだ。

「御主ら失礼なことを考えているだろう 」

『いっ、いえ』

「いやぁ、お前の妻になるんだから相当な変わり者なんだろうなと思ってな。最早人間じゃないとかな……」

なんの躊躇いもなくいい放つマダラは流石だった。しかし、そう言ってすぐにマダラは口を閉ざしてしまった。ライラもマダラと同じように口を閉じた。盆栽を愛でる柱間。盆栽に話しかける柱間。愛してると囁く柱間。結婚しようと言っている柱間。二人の脳裏に浮かんだのは哀れな独身男の血迷った映像だった。二人はうつむき額に汗を浮かべた。

『いっ、いいですね。喧嘩もなく円満な家庭を築けますよ!』

「だっ、大丈夫だ。植物もちゃんと生きている。木遁分身を究極に極めて盆栽と合体させれば子をなせるかもしれんぞ、」


「む?合体?何を言っているんだ御主ら……。おっミト!」

がちゃりと扉が開いた。

マダラとライラは息を飲んだ。もしかしたら歩く盆栽……

「お初に御目にかかります。私はうずまきミトと申します。」

開かれた扉の先にいたのは赤い髪を左右で丸めている品のある女だった。ライラとマダラの前で行儀よく頭を下げるとライラとマダラも慌ててお辞儀をした。

「俺はうちはマダラだ」

『私は』

「ライラさんですね」

『えっ?』

「噂には聞いておりました。お会いできて光栄です!」


ミトはキラキラした目でライラを見つめた。そして徐に手を掴み握手をした。

「ライラさんは私の憧れだったのです!正か、こんな形でお会いできるとは」

『あっ……私もお会いできて嬉しいです。』

その後二人は意気投合して旦那そっちのけでお話を楽しんだとさ。


(おい、ライラ)

(ごめん、今ミトさんと喋ってるから)

(……)

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