神代桜の奇跡

□拾肆
1ページ/1ページ



「準備はいいか」

早いもので、あれから一週間がすぎいよいよ今日が戦の日である。
相手は森の千手一族、話ではうちはとほぼ互角いやそれ以上であるそうだ
雇い主である大名達は、千手に対抗するためうちはを雇い、またうちはに対抗するため千手を雇うらしい
必然的にうちはと千手の激突は幾度となく繰り返されているのだ
どちらかの城が落ちるまで続くその戦いは大抵長期戦になるため、食料を含め武器やその他もろもろの必需品をきちんと用意するのも勝敗を左右するらしい

『えぇ、大抵のものは用意したわ』

「あぁ、なら俺は先にいって色々作戦の説明をする。お前はイズナと後からこい。その時に軽く顔合わせをさせようと思ってるのだが…」

『えぇ、大丈夫よ。問題ないわ』

「そうか、すまないな」


マダラはそういい少しばつの悪そうな顔をした
私がそんな顔しないでと言うとマダラは私の目を真っ直ぐ見つめて、死ぬな、と一言をはっしそのまま部屋をでた
マダラなりに心配してくれているのだろう
でも本当に私なんかが戦にいってもよいのだろうか。寧ろ邪魔ではないだろうか。
最悪邪魔になるぐらいなら一人でも多く道ずれにして自爆してやる

「どうしたの、そんな固い顔をして」

イズナが部屋に入るなり私の顔を覗きこんできた


『なんだか落ち着かなくて。もしうちはの邪魔になるようだったら自爆して道ずれにでもって』

私がそういうとイズナはぎょっとした顔をした

「なんて物騒なこと考えてるのさ。そんなことしたら兄さん怒るよ」


『なぜ?少しでもうちはの為にならと思ったのだけど…』

イズナはわざと聞こえるようにしたのだろうかとても大きな音でため息をはいた
そして腕をくみ少し考える仕草をとったかと思えば私の手をとりあるきだした

「まぁ、絶対にさせないからそんなこと考えなくていいよ。ていうよりやっちゃ駄目だよ?」

『…』

「駄目駄目。これは命令だよ。少しでもうちはの為になりたいなら生き残ってもっと強くならなくちゃ」

イズナは振り返らずひたすらに私の手を引き歩いていく
私は繋がれた手を眺めながらイズナの言葉をきいていた

少しても強くなる

果たして私にそこまでの技量があるのだろうか。不安で頭がくらくらする
あぁ、こんな自分も嫌になってきた

「自信もっていいよ?だってあの兄さんから教わったんだからね」

イズナが私を宥めるようにそういった
そうか、私はマダラから忍術を教わったんだ
マダラという単語が入っただけで少し自信がわいた

私は握られた手に少し力を込めた

「あっ彼処だよ、今日の戦の作戦確認の場所」

そういいイズナがさした方向には50人ほどの人があつまっていた
全員背中に団扇のもようがかいてる

そうか、この人達皆うちはの人間で今日戦に向かう人達なんだ

その集団に近づくと何人かが気付きこちらを見た

マダラも気づいたようで手を前に出し手招きをした

「ほら、ライラ、」

イズナが背中を押した
私はその勢いのままマダラのところまでいった
マダラのたっている場所は他の人とたちより高い位置で全員を見下ろせる場所だった
「こいつが先ほど話した忍びだ」

マダラがちらりと此方をみた
自己紹介をしろということなのだろう

私は名前を名乗り、宜しくお願いしますといい頭をさげた

「女じゃないか」

「昨日今日きたやつと背中合わせで戦えってのか」

「第一、本当に忍びなのか?」

どれも小声ではあるが確かに聞き取れた
というより聞き取れてしまった
出来れば聞きたくなかったがおおよそ予想していたためあまり落ち込まなかった
それでも批判されるのは決して気持ちのいいことではない

「皆の気持ちもわかる。だがここは一つ、こいつを信じてはくれぬか?責任の一切は俺がとろう」

マダラがそういうと辺りがしんと、一瞬で静かになった

皆どこか不満げな顔をしていたが一応納得したらしく頷いてくれた

「それでは先ほどいった編成だ。俺のあとに続け」

そういいマダラは敵地に向かい始めた

私もその背中を追いかけるためあとにつづいた


それから戦いが始まるまであっと言うまであった

すぐさま千手の忍びと衝突した
最初こそ人を殺めるのに抵抗があったが段々その気持ちも薄れていった
決して良いことではないがそんなこといっている場合ではない
私は思うままに武器をふるい術を仕掛け、自分でも想像できないほどに体が動いてくれた
やはり体はかつて忍びだったことを覚えているのだろか
ある程度時間がたつと、いきなり相手の動きが遅くなった
私は其をきに其まで以上に敵を倒していった

「ライラ、」

マダラの声がしたので、振り向くとマダラはすごく驚いた表情をしていた

「写輪眼、」

『えっ?』

「今、開眼したのか」

私はようやく気づいた

自分はいま写輪眼を使っているのだ
相手の動きが遅くなったのではなくそう見えるだけ
それは写輪眼の能力だったのだ

「まぁ帰ったらもっと詳しくきく。とりあえず今は俺から距離を取らずに戦いに集中しろ」

私はコクりと頷き再び戦いに身を預けた

その戦いは千手一族の頭領である柱間さんが不在だったらしくうちはの圧勝で終わった


撤退際に大名のところへより勝利の宴をするそうだ

「疲れたろう?帰って休んでても…」

『いえ、大丈夫よ。それよりマダラこそ大丈夫なの?傷、沢山ついてるわ』

「こんなの大したことない。まぁ嫌になったら何時でも抜けていいぞ」

そう話していると大名の住む城についた
とても大きな門が開きぞろぞろマダラを筆頭に中に入っていった

私も続いてなかに入った

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ