神代桜の奇跡

□陸
1ページ/1ページ


「ところでライラ。昔忍びだったと言っていたが・・・」


朝食を食べ片付け終わったあとマダラはライラに問いかけた

『えぇ。それだけは何故だか・・・、』

「其ならば話が早い。チャクラを練れるか?」

『チャクラですか・・・』

記憶がないなら忍術を使う云々、チャクラの練りかたさえ忘れたのだろう
マダラは ライラのお腹にてをあてた

「丁度ここら辺だな。意識をそこに集中してみろ」

ライラはコクりと頷いた
マダラは写輪眼でチャクラの動きを観察した

『スゥー・・・』

ライラは息をすいゆっくり深呼吸をした

するとすぐに腹のあたりでチャクラが渦巻いているのが見てとれた

「よし、もういい。どうやら体が覚えていたようだな」

『ということは、出来ていたのね?』

マダラは軽く返事をするとある巻物を取り出した

『これは?』

「これには色々な基礎忍術がのっている。ようは忍びの子供の教科書のようなものだ」

なかを開いてみると沢山の印と術の名前が明記されていた
どれも簡単な印が多く本当に基礎の基礎なのだろう

「まずは此をやってみろ」
マダラが指したのは変化の術と書いてあった
読んで字のごとく、誰かに変化する術なのだろう

ライラはそこにかいてある印の結びかたを教えてもらった

「そうだな・・・、まずは俺に変化してみろ」

『わかったわ。』

ライラはうなずいたあと素早く印を結んだ

『どうかしら?』

マダラの前には完璧に変化したライラがいた

「術の完成度も印を結ぶ速度もなんの問題もないな。以前忍びであったことは嘘ではなかろう」

『なんだか不思議な気分。なんにも覚えていないのに体が勝手に動いてくれるの』

「そう言うものは体が覚えているものなのだな」

マダラはそのあと次々とライラに印を教えていった
ライラはそのすべてを完璧にやってのけ、しまいには体力が尽きて、取り敢えずそこで終わりという形になった。


「すまない。女子供のの体力がどれ程かわからなくてな・・・」

『ふぅ、此方こそごめんなさい。でもマダラのお陰で少し前に進めたきがするわ』

ライラはマダラに微笑んだ
マダラはすぐに目を反らしその場をたった


『あら、どちらへ?』

「少し用を思い出した。すまないが少しの間ここで待っていてはくれないか?」

『えぇ。どれくらい?』

「そうだな。俺にも仕事があるからな。夕方までには」

マダラはそういい逃げるように早足でその場からでていった。



『私、なにかしたのかしら?』

ライラは誰もいない部屋で一人呟いた
そして窓辺に座り外を眺めた


『なぜかしら。マダラといると・・・』

外を見るとマダラが荷物をもち出掛けていくのが見えた
ライラの言葉は誰にも聞かれることなく、消えていった

******************************



しばらく外を眺め丁度太陽が真上に来てうとうととし始めると襖の向こうから声がした



「ライラさん、入りますよ」

その声はイズナさんのものだった
私が返事をする前にイズナさんは入ってきたためうたた寝をしようとしたのがバレてしまった

『ごめんなさい。こんなはしたない姿を』

「僕の方こそ起こしてごめんね」

イズナさんは周りを見渡した

「兄さん。ちゃんと仕事にいったようだね。」

『えぇ、大分前に出ていかれました』

「あぁ、僕に敬語は必要ないよ。それに、呼び捨てで構わない」

『ては遠慮なく』

私はそう言い少しうつむいた
何故かと言うと耐えられなかったからだ
彼の視線に、

上から下まで一通り見たあと彼は口を開いた

「どうやら、特殊な変化とかではなさそうたね・・・」

『えっ?変化・・・ですか?』

「いや、余りにもライラが美人さんだからね。兄さんを惑わせて一服盛るとか、そう言う輩も居るかも知れないじゃないか」

確かに、美しい女に化けて油断してたところを付くという手段もあるが、生憎私はそんな美貌を持ち合わせていない。全く口がうまい人だ
『私にはそんな素敵な容姿持ち合わせていないわ』

するとイズナは少し目を丸くさせたと思うとケラケラと笑いだした

「ククッ、まさか本気で其をいっているの?」
私が首を傾げると、イズナは肩をすくめた
「呆れた。これじゃあ兄さんも大変だね」
『?どういう・・・』

「ううん。こっちのはなし。」

イズナは首をふってそう言うとこちらに向きなおした
ここからが本題なのだろう

「ここからなんだけどね。僕は兄さんの意見に基本的には賛同していた。でも今回ばかりは理由が不明確すぎるんだよ。」

確かにそうだ。第一張本人である私でさえ、なぜマダラがこんなにも私によくしてくれるのかわからない

「証拠が欲しいんだ。君が本当にうちはを裏切らないかというね」

私は思わず息を飲んだ
つまりは証拠がなかったらここには入れないということなのだろうか
記憶がない今、私にはここしかないのに

『証拠・・・どうしたら信用してくれるかしら?』


「一週間後に領土拡大のための戦がある。それに参加してほしいんだ」

『成る程、つまりその戦で実績を出せばいいのね』

「あぁ、そういうことだね。でもそれにはその戦に出るうちはの忍びにライラのことを紹介しなくてはならない。勿論疑いの目や罵倒がある可能性だって低くはない。寧ろそれが無いとは考えにくい。それでも・・・」

『大丈夫。それでもきちんとうちはの為になるわ。』

私は手のひらを強く握った
私にはそれしか道はないのだ
何がなんでも1週間でやってやる

「それが聞けて安心した。その戦には僕も兄さんもヒカクもいくからそんなに心配しないで」

イズナは優しく微笑んだ
ここの人はなんて優しい方たちなのだろう

『ありがとう』

そう微笑めばイズナの手がピクリと動いた気がした

「う、うん。礼には及ばないよ。それじゃあ今お昼ご飯をとってくるよ」

『えぇ、ありがとう』

イズナはそそくさと出ていってしまった
そしてすぐに料理をとってくるとまたすぐに出ていってしまった

二人して長居はしないタイプなんだなと思うとやはり二人は兄弟だと思った

兎に角一週間後の戦までにはなんとか忍びとしてやっていけるほどにならなくては・・・
先ずは今日中にこの巻物の術をマスターしよう、

私はそう決意して朝と同じくとても豪勢な昼食をとった

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ