「泥警-後編-」


□しっくす
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「・・・んぅ・・?あ・・れ?」

家?どこの?

一間あいたところにあるシングルベットにホストも寝ている。

ドアの向こうにはカチヤカチヤと物音も聞こえた。

誰かが、助けてくれたのかな?

「よいしょ・・」

身体を起こして、ドアを開けた。

「え・・・」

二人、男子と女子がソファに座ってんニュースを見ていた。その二人のち一人は後姿だけでも分かる。

「おお、愛友!」

「おば・・・健太・・」

目が、開いたまま閉じなかった。懐かしい、愛しい人を目にして、孤独だった心が癒された。

「うっ・・うああああ!!健太ぁああああ!!会いたかっ・・」

不安という苦しみが開放される。会えた・・ただ、それだけでとても嬉しかった。

「この人が・・あの・・川島、愛友さんって人?」

私が少し落ち着いた頃に、MIRAI似の人が健太に話しだした。

「ああ」

私とその人は、頭をぺこっと下げあった。

「え!?ちょ、何?あっゆさぁ〜ん!?」

「あ〜ホスト、生きてたんだ」

「え!?そいつガチでホストだったの!?ってかてか!こいつ、川上に似てんなぁ!!」

ガッ

「あいて!」

健太がホストの背中をガッと叩いた。それを見て、MIRAI似の子と私は笑う。

川上さんかぁ・・大丈夫かなぁ?

「そう言えば、よく状況が分かんないんだけど・・」

なんか、明るいし・・・。

「ああ、もう二日目の朝方だよ」

「そっか・・」

「石田からの連絡で、泥棒の基地は大阪にあるらしい」

「大阪!?え、ここどこ!?」

「わかんにゃい」

わかんにゃいじゃないでしょ・・!あーやっぱりホストと健太同レベルだよぉ〜。

「多分、静岡か山梨の端らへんだと思うよ」

「みらい、頭よくね!?」

「え!?コレ!あの岩坂みらい!カワユス〜!!すっげ!すげ!」

こいつら、何でこんなに似てるの・・。気持ち悪いんだけど・・。

「あ!雄大は國分と合流して、向かってるって」

「大阪に?」

「おう!」

ふいに亜由桂が頭に浮かんだ。青木と亜由桂が付き合って1ヶ月くらい・・。

あいつ、亜由桂にもし本気だったら・・大阪に来ないんじゃないかな・・・?

「さ!こんなトコで休憩しててもアレだから、もう出発しようぜ!」

「いいけど、MIRAIやこのホスト馬鹿は連れて行かない方がいいと思う・・」

「えー!何でだよぉ?」
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