「泥警-前編-」


□に
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「・・・・」

「あの!」

おばさんは私の事を見もせず、何も無かった様に通り過ぎていく。

「おい糞ババァ!!いい加減にしろよ!!・・・うわっ!」

小原がおばさんの肩を掴もうとした・・でも

「すり・・ぬけ・・た・・?」

「何だよ!あーーー!もー!」

おばさんの頭を何度も何度もチョップする。でも、すりぬけて何の意味も無い。

「あああああ・・・訳わかんないよぉ!」

頭を抱え込みながらしゃがみ込んだ。

本当に何が何だか分からない。色々ありすぎて頭が破裂しそう・・。
さっきまでの事が現実じゃないと思える。

「早く、行くぞ!」

「え!」

小原は強引に私の腕を掴んで、どんどん歩く。

「う・・え」

学校内には鈍い臭いが漂っている。ついさっき遊んでた人達が原型もなく、ゴロゴロ倒れてる。

「優・・殺られた・・俺のせー・・だよな」

「あの黒仮面の所為だよ」

「雄大は?」

「わかんない・・でも、連絡はとれるかも!」

「おし!」

私は教室に入り携帯を手にし、小原は青木に電話をかけた。

「雄大?」

「おー!今何処??」

「公園?ああ・・・あしきり?」

あしきり、ってあしきりまつ公園・・かな?

「分ぁった、そこにいろよ」

「行こーぜ」

「うん」

携帯をポッケにしまって歩き出す小原を私は追いかけた。
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