天空の使者

□はじまりは出会いで
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広い草原にある大きな大樹の下にフードを被った俺は寝ている。



今日もいつもと変わらない日々…。



きっとこれからもそうなるだろう。



綺麗な青い空は俺を包んでくれるぐらい広く見える。



『相変わらず空は変わらないな…』



そう呟いた時だった!



?「やっほー☆元気?」



黒髪の少女が木の上から現れた。



17歳ぐらいだろうか?



黒い髪は背中までのびていて青い瞳も綺麗だ…。



いわいる美形と言うやつだ。



『!?……誰だ…』



冷静に答える俺に逆さまの状態の少女はつまらなそうに言う。



?「全然驚かないんだー。つまんないなー」



『そんな事よりその体勢やめろ…話しにくい』



そう言えば少女ははーい♪と元気良く答える。












『で、アンタ誰なんだ…』



フードを被った怪しい奴に近づく物好きなんて普通はいないはずだ。



それに少女からは不思議な感じがする…。



俺は天使だったから人の魂を感じる事ができるのだ。



?「さぁ?誰でしょーか、闇の使者の堕天使ちゃん」



『!?…アンタ何者だ?』



闇の使者…それは俺の昔の名前だ。



というより堕天使だと分かったという事は目の前の少女はただ者ではない…



?「今度は語尾に?を付けてくれたね☆」



『そんな事どうでもいい…質問に答えろ』



そう言えば少女はやれやれと言う。



話す気になったのだろうか?



?「僕は魔界の神様♪君がアースランドにいる事を知って来たんだ、堕天使ちゃん☆」



そう言う少女…否、神様の言葉に俺は目を見開いてしまう…。



『神様!?…アンタがか?』



アースランドと言ったと言ったということは間違いなくこの世界の人間ではないはずだ。



それに魔界を知っているという事は多分合っているのだろう。



神「そうだよ♪僕は正真正銘神様だよん☆」



神様は笑いながら言った。








しかし気になる事が何個かある…。



俺が堕天使だと分かったのは俺と同じ魂を感じ取ったのであろう…。



だが…



『何でアンタは俺に会いに来たんだ?』



1番気になる事だった。



だって普通は可笑しいもの。



堕天使に近づく馬鹿はそうそういないから…。



神「あぁ、そこ?まぁ別に答えるけどさー。ただ単に興味を持った…それだけだよ☆」



興味を持った?



本当に変わった奴だ…。



『アンタ相当変わってんな…ていうか会いに来た所で何するのさ?』



馬鹿にしたように言えば神様は笑いだす…。



神「神様やるのて結構退屈なんだよ?確かに世界を造るのは神様だけど、できた後は神がいなくても世界は動く。だから暇なの」



何も可笑しくないはずなのに神は笑っている…。



神「そんな時君がアースランドに居る事を知ったの。僕は面白い事が大好きだから君と一緒に居ればくだらない退屈な日々も楽しめると思って♪」



神様はニコニコ笑いながら俺のフードに手を取った。



『何の真似だ…』



手を振り払い言えば何故か風が吹きフードがぬげてしまった。



「噂通り可愛い男の娘だ☆カッコ可愛いしね♪」



その言葉に俺はイラついてしまう。



『男に可愛いは禁句だ(怒)というより俺は平凡だ…』


というかカッコイイ男でもない…。



両目が同じ色じゃないしな…。




「君って結構天然なんだね、君を欲しがる子はたくさんいるよ。可愛いから♪」



俺はその時コイツとは仲良くしたくないと心から思った事は口には出さないでおこう。



神「まぁ何にせよ君とはこれから一緒にいるから♪」


神は可愛くあは♪と付けたが俺にはそれが可愛いとは思えない。



『黙れ…俺はお前なんかと居たくない』



冷たく言えば相手は諦める。



その時まで俺はそう思っていた。



神「僕は君の事を何でも知っている。君がどうしてそう言うかも…傷付けたくないんでしょ?あの子のように」




びっくりするしかない…。



何でコイツは俺の事をわかるのだろうか?



神「君の気持ちはわかるけどさ、僕は君と居たいの」



いつもニコニコしている神が何故か寂しそうな顔をした…。



もしかしたら過去に何かあったのかもしれない。



コイツは俺に似ているのかも…。



いや、違う。



コイツは俺よりも心が強い。



神「だから僕は『名前は…』え?」



神は唖然な顔をしている。



『名前はと聞いている…何度も言わせるな』



少し頬が赤くなるのが自分でも分かる。



その様子が可笑しいのか神は笑いだす。



『わ、笑うな!』



余計に顔の赤さがましてきた…。






神「ないよ」



『え?』



神が言った言葉に俺は唖然としてしまった。



神「僕には名前がないの。まぁ、そこらへんは気にしてないから別にどうでもいいよ」







俺にはそれが嘘てすぐにわかった。



何で分かるのだろうか?



やっぱりコイツが俺に似ているからだろうか?



分からないがこういう奴は何故かほっておけない…。



『ネーヴ…』



小さく呟いた言葉に神は?を浮かべている。



『お前の新しい名前だ…よろしくな、ネーヴ』



そう言えば神は優しげな笑顔で笑う。



神「僕には勇気なんて無いと思うけどな」



ネーヴ…勇気という意味だ。



彼女に無いのかあるのかはわからない…。



だけど…。



『今ないんなら作ればいい。だからさ…俺のネーヴ(勇気)になってくれないか?』



神「!(笑っている…)」



神は何故かビックリしている。



何でだ?←無意識に笑ってた。



神「まぁなれるかはわかるけど…これで一緒にいれるね☆」



神…ネーヴは名前を気に入ってくれた(?)ようだ。



ネ「そういえば君の名前聞いてなかったね」



ネーヴは悪戯っぽく笑いながら聞いてきた。



さっき俺の事ならなんでも知っていると言っていたのに。



『ソラだ…なんでも知っているならわかるだろう』



呆れた様に言えばネーヴはクスクスと笑う…。



何が面白いんだか…。



ネ「知っているけどそうちゃんの口から聞きたかったの♪」



『そうちゃん!?』



まさかの呼ばれ方でついびっくりしてしまう。



ネ「というわけでよろしくね、そうちゃん☆」



ネーヴはウィンクをする。



その瞬間ワナワナと震える俺…。



『そうちゃん言うなー!!!(怒)』



まあ俺が怒ったのは言うまでもない。

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