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□また、いつか*
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いつものように、雲一つない青空。
でも、こんな綺麗な空を見るのも、これで最後。
何故なら、俺はこれから死ぬのだから。
父さん母さん、ゴメン。
実は俺、”長くはもたない“って聞いちゃったんだ。
小さい頃から、ずっと付き合ってきた病気だけど、治らないんだろ?助からないんだろ?
もう、疲れたんだ。
大好きなサッカーも満足に出来なくて。
もう、辛い思いはしたくないんだ。
だから、俺は死のうと思うんだ。
転落防止用の柵に手をかける。
「やっぱり、高いなぁ…」
下を覗くと、結構高くて、ちょっと足がすくんだ。
そんな中で、 名無しさん に初めて会った場所が視界に入った。
俺が一人で、サッカーの練習をしていた時、”上手だね!“って笑顔で話しかけてきてくれなよね。
名無しさん は、今でも覚えててくれているかな?
あれから毎日、一緒にいたよな。
俺は、 名無しさん の笑顔が大好きだった。
だけど、いつからか名無しさん は、いつもの場所に来なくなった。