暴走する力、知らなかった真実

□何も知らない平和な日々
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「お父さまぁ〜」

街から少し離れた森の中にある、公爵家の栗林邸に少女の嬉しそうな声が響き渡る。

「見てくださいっ!これ、お母さまと庭で摘んで来たんですっ!!」

少女は両手いっぱいに、色とりどりの花を抱え、父親の栗林 信悟へと差し出す。
少女の名は、栗林 唯乃。
月の様に輝く金色の綺麗な長い髪、青く澄んだ海の様な美しい瞳の六歳になったばかりの女の子、だ。

「ありがとう、唯乃。お父様は今、とても嬉しいよ。」

父の言葉を聞いて、唯乃は ぴょんぴょんと飛び跳ね、父に抱きつく。
父は愛娘の行動に、嬉しそうに笑っている。

「ふふふ…良かったわね、唯乃。」

少し離れた所から今までの様子をそっと見守っていた母、栗林 結実はキャラメル色の長い髪を揺らして二人に近付く。
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