もうひとつの人魚姫物語

□終章
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部屋に残されたのは重たい空気に、残された結婚式についての資料だけ。

「私だって、結婚したい。…結婚したいよ。」

ミネリアしか居ない部屋でミネリアの呟やきは、誰に聞かれる事もなく消えていく。
ミネリアは再び涙を流す。
透明なミネリアの涙が、水槽の水に落ちてひとつになる。

「どうしたというのじゃ」

突然かけられた言葉にミネリアは目を丸くして、声のした後方を振り返る。
聞き覚えのある声ー…
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