恋夢物語 短篇集

□血飛沫と共に貴方に愛を
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この世に数多の幸せがあるとして、それは私も、全ての人も、等しく手に入れる事ができるのだろうか。否。誰にも等しく平等に幸せ等ありはしないのだから。
例えばの話をしよう。
もしも貴方に愛する人ができたとしよう。けれどもその人は私を殺そうとしているのだとしよう。その場合、その恋は実らず貴方は熱い思いを抱えたまま、一人悲しみの中でそれに耐えなければならない。
その一方でもしも貴方の友が日頃会う幼馴染に恋をしたとしよう。紆余曲折経て彼等は結ばれ貴方の友達は幸せになるだろう。
例えばの話しだけれども、同じように愛してしまっても貴方が愛するのは貴方を殺そうとする人であり、貴方の友が愛したのは幼馴染であり、貴方の恋は実らず貴方の友の恋は実る。これは貴方の愛した人が悪いのかもしれないが貴方がその人を愛してしまったのは貴方の防げる事ではなく不可抗力でありやはり、幸せになれた友と貴方との幸せの差は歴然だ。
もしも、人生全て通算で幸せは平等だというのならばこんな場合はどうだろう。
裕福な家に産まれ、満ち足りた生活を送り、産まれ持ってして天才でありスポーツ万能であり美しい容姿を兼ね備えていて、才色兼備、文武両道にしてリーダーの素質を備えた友にも恵まれた一人と、ある遊女とある男の一晩の情事の果てに産まれた一文無しの児でなんの才覚にも恵まれず醜い容姿と生まれ持った発達障害。その末、飯にありつけず一人孤独の内に餓死。
そんな二人は決して平等に幸せとは言えまい。
そう。この世は決して平等等では無く残酷な不平等の上に成り立ち虐げられる者と虐げる者との差が分かれ、胡散臭い言葉を並べたて欲望のまま突き進み、挙げ句の果てに幸せな者程自ら悲観的になり幸せを欲するのだ。
なんて不条理な世だろうか。
まあ、私の知った事ではないが。
何せ私は不条理で不平等なこの世界に嫌われた者。
存在を認められない者。
誰か、私を、ここから、出して。
なんて、馬鹿げた戯れ言吐く気にもなれない。
ああ、最早この私に残された道はないのか?
否。
私はまだ悪事を行う事ができる。
今更、生にしがみつくのも可笑しな話しなのだが人とはもとより欲に生きる生物であり生欲を持つのも当然ではないか。人等は、醜い生き物だから私がこの感情を持とうともなんの違和感も無い筈だ。
 
長くなったが、これより輪廻が書くのはある女と沖田総悟というある星の王子様の話である。
このページに書いてある事は全て輪廻の論理感などでは無いがこれより書く物の主人公の女の価値観である事は否定しない。
更に多少の輪廻の価値観も含まれている事も仕方が無い事なのではないだろうか。
なにせ、輪廻が書いているのだから。
 
ちなみにこの物語は流血表現、性的表現があり、尚且つ酷い駄文につき、
覚悟の上お読みください。
 
では、長くなりましたがお楽しみください。
 
 






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