Mine


□甘いな
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「シーズちゃんっっ!」

勢いよく屋上のドアを開ける。
気持ちのよい晴天、何処までもつづく青のなか、一際目立つ金色。

一見柔らかそうなそれが風に揺れている。

「あ゛ぁ?」

気だるそうに眉間にしわを寄せながら答えるシズちゃんに違和感を覚えた。

「どうしたの?いつもなら顔見ただけでぶちギレる癖に」

かまってもらえないことに、少し頬を膨らませながら隣に座った。
――こんなに近づいてるのに怒らないんだ

「あ゛〜、なんだ?ほら、今日はすげぇ気持ちい晴れだから」

「なにそれ〜、シズちゃん気持ち悪ぅ〜い!」

今日のシズちゃんは普段からは想像できないもので、それが面白くて自然と頬が綻ぶ。

「…お前もそんな笑い方できたんだな…」

「え?なに?」

聞き取れなくて聞き返すがなにも答えてくれなくて、面白くないなと思いながら二人で空を眺める。

――これすごい構図。新羅とドタチンが見たらビックリするだろうな

ぼーっとそんなことを考えていると、ふいにシズちゃんの手がこちらにのびてきた。

殴られる!!そう思って身を強ばらせるが、予想していた衝撃はなく、代わりにさっき馬鹿みたいに開けていた口になにか甘いものがコロンとはいってきた。

「なにこれ!甘っっ!」

「いちごみるく」

「…俺甘いもん嫌いなんだけど」

そう言って睨み付ければ、知ってると返答…

じゃあなんで、と尋ねようとするまえに、シズちゃんが口を開いた。

「嫌がらせだ」

そう言ってこちらを見ると……


笑った

すごく綺麗に

笑った

何度も何度も見たことのある笑顔

俺には一生向けられないだろうと諦めていた笑顔

――あぁ、遠くで見るよりずっと眩しい…

そう思うと切なくなって、心臓のあたりがぎゅっとして苦しくなった。

「おいっ!?なに泣いてんだてめぇ!
そんなに嫌だったのかよ!?」

――俺、泣いてるんだ…

なんだか可笑しくなって、涙を流しながら笑った。

するともっと困った顔をして、どうすればよいか分からないといった様子のシズちゃんが愉快で、俺は暫く笑っていた。







ーあとがきー
初の静臨でした!
もうなにが書きたいかわからんですね!!
これから、文の上達に励みます…(^-^;

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