ハリー・ポッター(夢)
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「これが本当の鍋パーティーだったんだ」
ぐつぐつと美味しそうな匂いを上げながら煮えている土鍋の中を見て、ちょっと感動しているクィレルとセブルス。
子供たちは美味しそうとはしゃいでテーブルを囲んでいた。
「あれは鍋じゃなくて闇鍋だからね」
梅並も呆れたようにため息を吐いてみんなの皿によそい、第二弾として野菜や肉を入れて蓋を閉めた。
「あれ、パーシーやウッドは誘わなかったの?」
「「忘れてた!」」
「可哀相じゃない?」
「ウッドは誘おうとしたんだけど」
「「いやよ(だ)」」
「二人が許してくれなかったの」
「まだ言ってたんだ」
ウッドとマーガレットの友情をまだ疑っているローズとトムの拒否に合い、この場にウッドはいない。
梅並が肩をすくめてドラコに声をかけた。
「ドラコはご飯のお代わりいる?」
「あ、はい。お願いします」
「「僕たちも!」」
「たくさん炊いといてよかった」
さすが年頃の、それもスポーツマンたちだと用意してある容器からご飯を盛って手渡す。
「みんな運動神経良いけど、来年はクィディッチの選抜に出るの?」
「私は出ないわ。歴史をもっと知りたいから」
「僕も、研究する時間が減るのはごめんだ」
「私も」
「グリフィンドールの戦力が!」
「ツバキが選手にならないだけましだよな」
「キーパーでもやらせてみろよ、きっと最強だ」
「ありがとう、でもクィディッチは見てる方が楽しいわ」
「観戦する時は絶対に杖を手放さないように」
注意するセブルスに素直に頷く子供たち。
だが、他のみんなは何言ってんの?というように首を傾げていた。
「昔ね、観戦している時に事故が起こったんだよ」
「君は心配性だね」
セブルスは笑う梅並に何も返さず食事を続ける。
「事故って?」
ドラコが聞くと、ローズが説明してくれた。
「お母さんが怪我をしたの。ブラッジャーが飛んできて選手の箒が壊れたんですって」
「かなりの大事故だったって蘭樹が言ってたよ」
「兄さんはおしゃべりだね」
「その後の事は聞いてないわ」
「その後?」
まだ何かあったの?とハーマイオニーが聞くが、
「秘密」
梅並は笑って教えてくれなかった。
「私も詳しくは知らないんだ」
その時はまだなんでも部に入っていなかったからねとクィレルも笑って、セブルスは最初から会話に参加すらしていない。
えー!と文句をいう子供たちに笑っていれば、第二弾の鍋が出来上がった。