ハリー・ポッター(夢)

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「やぁルーピン。これからよろしくね」
「ウメナミ、君は変わらないね」

「ありがとう」

握手を交わす梅並とリーマス。
その隣で憮然としているセブルス。クィレルが苦笑していた。

「まさか同じ年の卒業生が四人も揃うとは思わなかったよ」

久しぶりの再会を喜んで、今、大広間では新入生の組分けが行われている。

「トム・ダンブルドア」

騒がしくなる大広間。だけどそんなのは序章だった。

「スリザリン!」

ざわつきがさらにひどくなった。
スリザリン寮からは拍手が起こっているけれど、本気で歓迎しているのはドラコくらいだろう。
職員席では二人の寮監と校長が笑顔を送っている。

「ローズ・スネイプ」

椅子の前に歩いて行くのは、癖のある黒髪と少し鉤鼻なのがチャームポイントの可愛い女の子。

「グリフィンドール!」

グリフィンドールのテーブルから、他の寮からも嘘だろという声が聞こえてくる。
セブルスは残念そうにしているが、隣に座っている梅並に笑われていた。

「マーガレット・スネイプ」

さっきも見たのと同じ顔。
まさか双子だったのかとざわめくが、

「グリフィンドール!」

帽子の声でさらにざわめきが増した。

「二人揃ってグリフィンドールになったわね!」
「みんな信じられないって顔してこっち見てるぜ!」

「そうりゃそうだ!両親はスリザリンなんだからな!」

フレッドとジョージが笑い出し、迎え入れたハリーたちも二人を歓迎した。

「トムはやっぱりスリザリンになったわね」
「あれだろ?本人の意見が尊重されたんだ」

蘭樹と同じ寮がいいと言っていたのを思い出してロンが向かいのテーブルを見る。
みんなで見ればトムも視線に気が付いたのか笑顔で手を振って来た。

「あ、サザーも連れて来たんだ」
「トムとマルフォイの周りから人が引いて行くぞ!」

「ぶはっ、トムって結構マイペースだよな」

床から肩に、そして首に登って来たサザーを撫でているトムを見て、グリフィンドールのみんなが笑っていた。
ちなみにドラコはそんなのもう慣れていたので、サザーを一緒に撫でていた。

ダンブルドアの孫やセブルスの娘が入学したという事で、今年は話題に事欠かない。それに、

「どうしたんだ?いつもはもっと文句いうじゃないか」

新学期早々ウッドが言いだしたクィディッチの練習。
それに二つ返事で了承したハリーたち。そして、遅くまで続いた練習にも何も言わなければ不思議そうに首を傾げた。
と言うか顔をしかめた。

「文句を言ってほしいなら言うけどな」
「夏休みの訓練がきつ過ぎたせいだ」

「感覚がマヒしてるんだよ」
「訓練?」

フレッドとジョージがなんでも部の強化合宿の事を話せば、ウッドは目を輝かせて部室へ訪れた。

「先生!僕にもジュードーを教えてください!」
「柔道?」

「ハリーだけじゃなくフレッドとジョージまで動きがよくなったんです!」

それも練習に文句を言わなくなったと言えば笑い出した。

「そんなところで役に立ってたなんてっ、はぁ、副産物だったね」

教えてあげたいけれど、それをするとスリザリンのみんなにも教えなきゃいけなくなるからと梅並は断った。しかし、

「ローズとマーガレットは、かなりの腕前だよ」

部室を出る時耳元で言われたそれに顔を上げる。

「お手柔らかにね。まだ入学したてで緊張してるだろうから」

ニッコリと笑った顔はすこぶるキレイだった。

この後のウッドの行動は早かった。
グリフィンドールの談話室にいた二人を見つけると、

「ローズ・スネイプ!マーガレットでもいい!僕に付き合ってくれ!!」
「「ぶは!」」

近くにいたフレッドとジョージが噴出して、談話室にいたみんなの視線が一斉に集中する。

「何にですか?」
「ジュードーと言うものを僕に教えてほしい!」

「なんでですか?」
「クィディッチのためだ!」

その言葉に、みんながああと納得して自分たちの作業に戻っていく。
誰もが認めるクィディッチバカのウッドならではの納得のされ方だった。

「クィディッチに柔道って関係ありますか?」
「あったんだ!合宿に参加した三人の動きが変わった!」

「スポーツとしてみたら、関係はあるかもね」
「そうだけど、」

「すみません、私たちクィディッチの事をよく知らないので」
「なんだって?!」

「おいおいそれ本気で言ってるのか?」
「ええ。今まで見たこともないの」

レギュラスが話してくれるからなんとなくは知ってるけどとローズが言えば、クィディッチがいかに素晴らしいかを語りだしたウッド。
それに横槍を入れながらも話に入ってくるフレッドとジョージ。
ウッドが語り終わる頃には談話室にいた生徒がほとんどいなくなっていた。

ローズはやはりクィディッチの魅力が分からないのか、途中で話に飽きていたがマーガレットは最後まで相槌を打って聞いていた。

「分かりました。実際役に立つかはわかりませけど、私でよければ教えますよ」
「本当か!」

「はい。あ、私はマーガレットです」
「マーガレット!よろしく頼む!!」

「マーガレットがやるなら私も手伝います」

マーガレット一人にはやらせたくないとローズもウッドと握手をした。
その光景を見ながら、フレッドとジョージは肩を落とす。

「まさか、休みが明けてもジュードーをやらされるとはな」
「ああ。クィディッチに加えてジュードーだ」

それとなんでも部で作っている悪戯商品の開発。時間がいくらあっても足りないとため息を吐いた。


「いいぞドラコ!ずい分動きがよくなったな!」

そして、スリザリンでも同じことが行われていた。
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