ハリー・ポッター(夢)

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そして、気が付いたら合宿最後の日だった。

「これって、いつも先生が着てるキモノって言う服ですか?」
「その一種かな。これは浴衣っていうんだ」

着物より薄手で涼しいんだよと、ハーマイオニーたちに着付けていく。
髪もそれに合わせて結われ、女子たちのテンションは上がって行った。一方男子たちは、

「なにこれ?」
「なんでこんなの着るの?」

「記念だ記念。そしてなんでも部の恒例だ」

わざわざ着替えなければならない事に文句を言いながらも、これから合宿を頑張ったご褒美をもらえると浮かれていた。

「ドラコは本当にルシウスに似てんな」

昔この浴衣を着たルシウスにそっくりだと笑って、みんなの準備ができた事を確認して部屋を出た。
リビングには他のみんなも揃っていて、男子のみんなは息を呑む。

「どう?みんな」

梅並の言葉に、男子たちからは頷く以外の答えはない。

「よし!祭りに行くぞ!」

蘭樹と麻耶を筆頭に、他のみんなも夫婦でイチャつき出している。

「リリー、君はなんてキレイなんだ」
「ありがとうジェームズ」

「おじいちゃんは浴衣を着てもサンタ見たいだね」
「ほっほっほ、この髭がそうさせるんじゃろうな」

「君はどんな格好をしても美しいよ」
「ルシウスも素敵よ」

「可愛いモリウォブル。普段の君もいいけど、たまにはこういうのもいいね」
「なんだか昔に戻ったみたいだわ」

初めてお祭りに来た時を思い出すと囁き合う両親たちを見て唖然とする子供たち。
いつも仲の良い夫婦だとは思っていたが、なんだか今日はいつもより仲がいい。

「屋台が見えて来たわ」
「みんなお腹空いてる?」

「もちろんだよ!」
「さっきまで森で駆けずり回ってたんだから!」

「欲しいものがあったら私たちに言ってね」

日本のお金を持ってるからそれで買うわと椿が言う。
その姿を見て、ドラコはため息なのか分からない息を口から吐いていた。

黒い髪も少し黄色みがかった肌も、いつも見ているのに今日はいつもと違う。

それは浴衣のせいだろうか。

「ドラコは立ち食いとか初めて?」
「、いや。立食パーティーとかではよく」

「そう、お祭りはマナーとか最低限あれば十分だから何も気にしなくていいわ」
「そうなのか?」

「ええ、たこ焼きを食べてみる?すごく熱いけど美味しいわよ」
「「食べるー!!」」

「ブラックも、最後までいればよかったのにね」
「いなくても困らない」

「まぁ、そうかな」
「レギュラス!かき氷を買いに行きましょ!」

「あまり急ぐと転ぶよ」

ハリーたちはいつもの三人でいるのだが、ロンとハーマイオニーの空気が少しぎくしゃくしていてハリーはいたたまれない。
やって来たジニーとルーナが空気を換えてくれて本当に助かったと思った。

強化合宿は、最高の思い出となった。
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