ハリー・ポッター(夢)

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秋が終わる頃、この日も梅並に言い寄って来たロックハートにセブルスはうんざりしていた。
自身の研究室でため息を吐いていると、風来坊の調合で来ていた梅並がそれなら大丈夫だと言って鍋をかき混ぜる。

「この前姉さんから連絡がきたよ」

魔法省でロックハートの過去捏造問題を突き止めたのだと言う。

「ピーターがヒィヒィ言いながら調書を取りに回ってるって」
「あいつがヒィヒィ言わずに仕事をしているのを見たことがない」

「・・・そうかもね」

そんな話をした数週間後、魔法省から派遣された魔法警察部隊がやって来た。
そしてロックハートを拘束して連れて行く。その際かなり暴れていたが、

「ちゃんと罪を償ってください」

梅並の一言で大人しくなり、連行されていった。

「フェミニスト」
「これは違うでしょ」

いい大人なんだから悔い改めないとと肩をすくめる梅並にため息を吐くセブルスだった。

こうしてDADAの教師がいなくなってしまったので、夏休みまでの間は梅並が代わりに授業を行っている。

「よろしくね」

授業は分かりやすく実践的で、男子にはもちろんだが女子にも大変人気がでた。

「ネビル、呪文は覚えた?」
「は、はいっ」

ピクシーを捕まえるために構え、緊張から力が入り過ぎている生徒に苦笑してしまう。

「そんなに力んでいたら私でも失敗してしまうよ。もっと力を抜いて」

ポンポンと肩を叩いて笑って見せる。

「大丈夫、君は自分にできないって暗示をかけてるだけだから」

君は出来る、約束するよと背中を押して前へ出させた。

もちろんネビルは呪文を使ってピクシーを捕まえる事が出来、梅並は盛大に褒めた。
他にも落ちこぼれと呼ばれる全員も魔法を成功させ、みんながこのまま梅並にDADAの先生になって欲しいと思わせるほどの成果だった。

「本当にスネイプが惚れ薬を使ったんじゃないの?」

ハーマイオニーとフレッド、ジョージの証言であの噂は減って来てはいたが、信じている者は少ない。

「ええ。とってもそんな感じしなかったわ」
「ビックリだぜ、あのスネイプが笑ったんだからな!」

「おまけにあのクィレルと友達だったんだぜ?!信じられるか?」

お互いファーストネームで呼び合ってたという事と、実はスリザリン贔屓ではなく身内贔屓だという事実を話しても、ロンとハリーは頷けない。

「私は最近それを実感してるけどね」

魔法薬学の時間を思い出してみる。
前は手を上げても当ててくれないうえ、説明をすれば知ったかぶるなと言われて減点までされていたのに、今はそれがない。

「ま、それも夏休みで分かる事さ」
「自分の目で見るのが一番だ」

二人はそう言って部室へ向った。
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