ハリー・ポッター(夢)

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なんでも部の活動は、思った以上に充実していた。
使用許可を貰った空き教室はとても大きくて暖炉まである。

「とりあえず、誰が何をするかを決めるとしようか」

今年が最初の年、それも途中からだから成果ではなく目標を報告しようと羊皮紙に何か書きながらみんなに話しかけるルシウス先輩。

「俺は古代魔法の解析と復元!」
「私は魔法の簡略化と改良かな」

「そうか、二人は何か考えてきたかい?」

蘭樹たちはもう決まっていたようで、その答えを羊皮紙に書いて行く。
僕たちも二人で話し合って決めてきた。

「僕たちは新しい魔法薬の研究をします」
「新しい?」

「まだ誰も完成させてない薬とか、作ってみたいです」
「応援しているよ。だが、もう少し具体的な方がいいな」

何か気になっているものはあるかい?と聞かれ、顔を見合わせて頷き合う。

「実はいくつか候補があったんですけど、」
「今は脱狼薬に専念しようかと思っています」

「脱狼薬?」

実は何の薬を作るか図書館で調べていた時ダンブルドアがやって来て、薬の研究をするなら人の役に立つのがいいと言われ、保健医に何の薬が欲しいか聞いたのだ。

「他にも脱吸血薬や脱喰人薬などたくさんありましたけど、初めに手を付けるなら月というトリガーのある脱狼薬がいいとスラグホーン先生に勧められました」

「なるほど、では全員何をするか決定したな」
「ルシウスは?」

新しい羊皮紙に清書している先輩に蘭樹が聞けば、

「私は占いを学問的に立証する」

そう言って書き上げた文を確認してみんなにサインを書くように渡してきた。

「先輩は占い学が好きなんですか?」
「好きというよりも、理解したいと思っている」

「?」

首を傾げれば笑いながら蘭樹が教えてくれた。

「俺のばあちゃんが先読みできんだよ」
「先読み?予言のことか?」

「うん、百発百中のすごい人だよ」
「お婆様に、特別な力がなくてもある程度は見える様になると言われたのでね。興味が沸いたんだ」

こうして、なんでも部の活動は始まった。

「昔から、作ろうとする人は何人もいたんだね」
「それでも成功した例はないな」

二人で図書館から借りた本を部室で読みふけり、今までどんな研究がされてきて、失敗があったのかを調べる。

「1000年以上前は普通に使われてた魔法って、過激なのが多いんですけど」

昔は倫理とか道徳とかの考えが希薄だったんだなぁと、今の時代に生まれてよかったと何かぶつぶつ言いながら羊皮紙に書いている蘭樹に、黙々と自分の作業をしているルシウス先輩とアーサー先輩。

僕はこの空間をすぐに好きになった。そして、

「「お邪魔しまーす!」」
「お邪魔でーす!」

「「うっさい!」」

やって来た桜花と桃花。

「「あたしたちも入ってあげるわ!」」
「頼んでねぇし」

「将来の事考えると、今から準備しておいて損はないと思うのよねぇ」
「話きけよ」

「お給料の事もピーター君との結婚生活の事も考えると、」
「「やっぱり就職はこっち(イギリス)でした方がいいしね」」

「何になるか決めたの?」

蘭樹を無視して話していた二人だったけど、梅並の言葉には頷いて笑顔を見せてきた。

「「闇払いになることにしたわ!」」
「死喰い人超逃げて」

二人が蘭樹の頭を叩いているのを見ながら、ルシウス先輩が提出するはずだった羊皮紙を取りだして口を開く。

「一応、部に入るには何をするか明確にしておかなければならないので」
「そうね」

「それは大切だわ」
「「あたしたちはオリジナル魔法の開発よ」」

その魔法を使って成り上がってやるわとやる気を燃やしている桜花と桃花。
蘭樹はまた余計なことを言って叩かれているし、梅並はそれを見てクスクス笑っている。
ルシウス先輩たちも笑っていて、気が付いたら僕も笑っていた。
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