ハリー・ポッター2(夢)

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目が覚めると、梅並はまだ寝ていた。
時計を確認すれば、まだ昼には早い。横になったまま梅並の顔を眺めて過ごす。

しばらくすると、梅並も目を覚ました。

「おはよう」
「ああ、おはよう」

笑って、まぶたや額へキスをする。

「君と一緒に寝ると、布団から出たくなくなるよ」
「出ないで過ごすか?」

「魅力的なお誘いだね」

クスクスと笑い合って、キスをしているといい匂いに気が付いた。

「あ、そっか。ラグがいるんだっけ」
「忘れてた」

昼に起こしてくれと言ったからそれに合わせて食事を作っているのだろう。

「もしかして、このままここに住みついたり?」
「・・・あり得るかもな」

こんな一般的な家に屋敷妖精がいるってすごい事だぞと苦笑をもらし、二人で部屋を出る。

ダイニングへ向えば、そこには料理が並べられていて、キッチンにはやはりラグの姿があった。

「お目覚めですか!!」

キーキー声でこちらへ寄ってきて、食事にするか、何か欲しい物はないかと見上げてくるのが面白い。

「先に食事をしようか」
「そうだな、薬を送るのはシャワーを浴びた後でも十分だ」

二人で席に着き、ラグが運んでくる皿を受け取って並べる。

「あれ、ラグの分は?」

その質問に、ラグは何を言われているのか分からないと言う風に首を傾げた。

「一緒に食事をするんんだ」
「嫌じゃなかったら、だけど」

屋敷妖精にそういうルールとかないよね?と聞けば、ボタボタと涙を流しながらキーキー声で何か叫びだした。

「ラグがっ!ご主人様とテーブルを囲むなど!!」
「嫌だった?」

「恐れ多い事です!!光栄です!ですがっ!!」
「ならいいだろ。料理が冷める」

早く食べたいと言って無理やりラグを座らせ、二人で手を合わせて頂きますと頭を下げた。

「わぁー!!ああー!!」
「・・・」

「まぁ、慣れるまではしょうがないよ」

うるさいと顔をしかめれば梅並が苦笑し、料理に手を付けてラグの頭を撫でる。

「美味しよ。ラグは料理が上手なんだね」
「もったいないお言葉です!」

「そこの棚に料理の本が入ってる。後、僕は和食が好きだ」
「ラグの料理が美味しいから、レパートリーを増やして自分の好きな物を作って欲しいんだって」

「うるさい」
「照れ隠しだよ」

笑っている梅並にため息を吐き、料理をキレイに平らげて皿をシンクへ持って行く。

「セブルス様!ラグがやります!お任せください!!」
「そうか」

助かると頭に手を置けば、またボロボロと泣き出したのでどうすればいいんだと梅並に助けを求めると、

「セブルスが優しいから、嬉しいんだよ」

自分の皿を持ってこちらへやって来た。

「ねぇラグ、君はこれからどうする?」

食器をシンクに入れてしゃがみ、泣いているラグと目線を合わせて顔を見る。

「君がいてくれると私たちはとても助かるけど、今みたいに屋敷妖精として違う扱いをされると思う」

それって君にとって幸せな事?と首を傾げ、着ているボロ布で顔を拭いていたラグの返事を待つ。

「お優しいお二人にお仕えすることが出来るのでしたら!!」
「僕は優しくない」

「優しいよ」
「セブルス様はお優しいご主人様です!!」

「ほら」
「・・・」

「セブルス、ラグを家の子にしてもいい?」
「・・・本人がいいならな」

「わぁああー!あああー!!」
「・・・」

「感動の涙って事で、いいのかな?」

家の中が一気に騒がしくなった瞬間だった。

「あ、でも待って。正式にうちの子になる前に、ラグにちゃんとした服を上げたい」
「ラグはっ、ウメナミ様に悪いことをしてしまったのですか!?」

「してないよ」

クスクスと笑って、ラグを抱き上げると扉へ向って歩き出す。

「私はラグを新しい家族だと思ってるんだ」

家族がそんな恰好をしているのは嫌だよと泣きわめいているラグの背中をさすりながらリビングから出て行った。

セブルスは、その姿を見送って一人顔を赤くしていた。
屋敷妖精が小さいのが悪い。
よく分からない事に文句をつけて、火照った顔を梅並に見られる前にシャワーを浴びようと逃げるようにダイニングを出て行く。

ラグを抱き上げてあやしている姿が、子供に笑いかけている様に見えたなんて絶対に知られたくなかった。


「女だったのか」
「うん」

シャワーから上がってくると、梅並の白いシャツを着たラグが居た。

「改めて、これからよろしくね」
「はい!!」

「僕たちの仕事については、今度話す」

後、この写真に写ってる人たち以外は家に入れるなと、リビングに飾られている一枚の写真を見せた。

「誰も来ないと思うけど、一応な」
「私たちは匿名で仕事をしてるから、外でも内緒だよ」

「はい!!」

スネイプ家に家族が増えたある日の事。
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