ブリーチ2(夢)
□藍染3(R18)
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一日が終わる頃、華奈は僕の元へ帰って来る。
時間の感覚は全くないけれど、きっと今は夜なのだろう。
「あのな!今日は更木隊長に追いかけられたんだ」
僕の膝に座って、外で何をしてきたか話すその声を聞きながら、頭を撫でる。
「華奈と二人で捕まって、どっちでもいいから相手しろって言うから、すごい頑張って逃げたんだ」
「うまく逃げられたかい?」
「逃げたけど、隊長足早くてさ、途中で捕まっちゃった」
その後道場へ行って、二人揃ってコテンパンにされたと、楽しそうに話す華奈。
藍染は笑って、華奈の頭を自分の胸に押し当てる。片手で覆えそうな小さな頭。その頭を撫でていると、瞼が重くなってきたようだ。
「疲れたろ?」
このまま眠っていいよと言えば、小さな手で目を擦りながら欠伸をし、体を預けてくる。
体全ての力を抜いて、無防備に身を任せてくるその姿に、心が満たされていく。
「華奈」
頭を撫でて、頬に触れて、耳の外郭を指でなぞって唇へ。
「む」
唇にあたっていた指から逃げる様に顔を胸へ擦り付けてくる。赤ん坊のように手を握り、スースーと吐き出される温かい息が拘束具越しにかかった。
上半身だけが向かい合っている体勢を変えるため、そっと抱き上げて自身をまたがらせるように足を開き、寄りかからせる。
握りしめている手を包んで、見えている頭頂部へキスをした。
「華奈」
可愛い可愛い、僕の華奈。
僕を一番にしてくれた愛しい子。
「華奈」
愛情をこめて頭を撫で、愛情をこめて抱きしめて、触れる小さな体に、ゾクリとした。
華奈が許してくれるなら、このまま一つに繋がりたい。
だが、この小さな子を大切にしたいとも、思っている。
頭を撫でていると、モゾリと動いて目を開けた。
「そうすけ?」
「ああ、起こしてしまったかい?」
眠そうな目のまま首を横に振り、見上げて来る。
「ねないのか?」
「そうだね、華奈が可愛くて、見とれてしまったよ」
「?」
分かっていなさそうに首を傾げる仕草が本当に子供の様だ。
笑って返せば、首を傾げたまま、
「なんか、やな事あったのか?」
「・・・どうしてだい?」
聞き返せば手を伸ばしてきて、頬に触れた。
眠気はもう良いのか、しっかりと開かれた目と見つめ合う。
「つらそう?な顔してる」
「そうかな」
「うん」
「辛い、というよりも、幸せな悩みかな」
「?」
首を傾げれば、傾げ返してくる。
可愛くてたまらない。
「前よりも、贅沢になったと思ってね」
華奈の頭を撫でて、眠っていた時のように胸へ寄りかからせる。
「華奈が側にいるだけで幸せなのに、一つになりたいと望んでしまう」
「?」
「僕は、華奈の全てが欲しいんだ」
一瞬キョトンとした顔になった後、まるでそれがさも当然かのように頷いた。
「惣右介になら、何されてもいいぞ?」
「・・・」
その返答を聞いて、両頬を掴んで引き寄せ、唇を押し当てて舌をねじ込む。
驚いたのか目を見開いていたが、止めて来る事はなく、舌を動かし続けた。
たっぷり時間をかけて味わった後口を離せば、クタリと倒れ込んできた華奈の頭を撫でる。
「華奈は可愛いね」
笑って言えば、目が合った。
「惣右介」
向けられる目には、いつもと変わらない信頼や好意があった。
「私は、惣右介が好きなんだ」
言って、胸に額を擦り付ける様に顔を埋めてくる。
「惣右介の事が大好きで、ずっと一緒に居る為にここに来たんだ」
それは藍染が望んだからではない。すべては華奈の意思だった。
「惣右介との約束だって、絶対守るよ。どこに行ったってちゃんと戻ってくる」
あなたは、どうしたらそれを信じてくれる?
小さくなっている華奈を、震える腕で抱きしめて、力を入れていく。
絞め殺す気なのかと聞きたくなるほど力を入れて、俯いている顔を上げさせた。
「、っ、は!」
息を切らせながら小さな口に喰らい付いて、自分のがどれか分からなくなるほど舌を絡め合わせる。
僕は、なんて愚かな事をしてしまったのだろうか。
こんなに真っ直ぐ、君は僕を見てくれているのに、君を試すようなことをしてしまった。
なのに、そんな馬鹿な事をしたのに、君が僕に向けてくる目は変わらない。
華奈華奈華奈華奈華奈華奈
君は、僕に残ったたった一つの良心。
優しく解いてあげるだけの余裕もなく繋がって、無理やりとも言えるほどの力と勢いで攻め立てる。
「僕は!」
君が好きだ。
やっと念願かなって一つになれたと言うのに、その時の感動を何も覚えてはいない。
ただずっと、子供の様に咽び泣いて小さな華奈にしがみ付いていた。
その手で払われたなら、その時が自分の最期だと確信していた。
「惣右介」
短い腕で、頭を引き寄せる様に包まれる。
「大好きだ」
「っ、う゛ん゛」
君は、僕に残ったたった一つの良心。