ブリーチ(夢)

□カナ26
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見上げた先に花太郎がいて、それを見てたらドンドン体が楽になって行く。

この感覚には覚えがあった。

「ありがとな、花太郎」

目を閉じて、華奈は薄く笑う。

「生きてて、くれて」

そのまま眠ってしまった華奈は気がついていなかった。
この部屋にあるいくつもの気配に。

「この娘が、藍染の言っとった者か」
「はい。今、更木隊長、ならび副隊長に連絡をしておりますので、直にこちらへ到着するかと」

「うむ」

藍染の残して行った言葉を鵜呑みにするつもりは毛頭ないが、警戒しておいて損はない。

この小さな少女が、ここにいる隊長格たちをも凌ぐ力を秘めているなど、到底思えなかったとしても。

「して、この者と藍染の繋がりは」
「は、それが、全く掴めておらず」

「当たりめぇだろ」

聞こえてきた低い声にみんなが振り返れば、肩に桃色を乗せた大きな男が立っていた。

「こいつは俺んとこの隊員だ。調べんのは勝手だが、手ぇだすんじゃねぇぞ」
「華奈ちん悪いこと何にもしてないよ!」

剣八の肩の上からパタパタと手を振って訴えて来るやちる。
耳元で喚くなとやちるを咎めるが、本人はそんなこと聞いてはいない。

「ヨダレンが華奈ちん治してくれたから、また一緒に遊べるね!」

とてとてとゆっくり歩み寄って、目を閉じている華奈の顔を覗き込む。

「早く起きないかな」
「も、もう少しかかっちゃいますけどっ、絶対、治して見せます!」

「お願いね〜!」

えへと笑ってベッドから飛び降りると剣八の足元へ歩いていく。

「剣ちゃん!早くみんなにも教えてあげよー!」
「おい、引っ張んな」

「はやく〜!」

そう言って出ていってしまった剣八とやちるを見送って静まり返った部屋の中、卯ノ花が口を開いた。

「私の個人的な意見ですが、」
「申してみよ」

発言を許された卯ノ花にみんなの視線が集まる。

「彼女は、きっと私たちには害を及ぼさないと思います」
「その根拠は」

みんなの視線を受けながら、微笑んで華奈を見てから花太郎を見、そしてみんなを見る。

「彼女はとても純粋な子ですから、人を傷つけるような事はできないかと」

それを聞いて今まで黙っていた花太郎も大きく頷いて目で訴えた。

「・・・この中で、他にもこの娘と関わっていた者はおるか」

その質問に、顎をさすりながら手を挙げたのは京楽。

「まぁ、直接はないんだけどねぇ」

楓から聞いている華奈の話しを思い出しながら口元を緩めて片目を閉じる。

「それに、藍染が消える前にも言ってたじゃない」

自分には付いて来てくれなかったって。
それを聞いてみんなもそうなのだがと口を閉じる。

「では、この者の実力を知っとる者は?」

それには卯ノ花も花太郎でさえも分からないと視線を下げた。

誰も、華奈が戦っている所を見たことがない。

あっても、藍染が言っていた程の力があるとも思えないのだ。

「それについては、あの子が起きてから聞いてみるっていうのは?」
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