ブリーチ(夢)

□カナ25
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「おはようございまーす!!」

元気よく扉を開ければ、騒いでいた皆が華奈を見てきた。

「?」

訳がわからず首を傾げていると、後ろから弓親が来て華奈の肩に手を起きながら声をかける。

「おはよう華奈」
「弓親さん!おはようございます!」

笑顔を向けてくる華奈に笑って中に入ればガヤガヤと賑わってきた執務室。
しかし、やはりいつもと違う視線をむけられる。

「私の顔、なんかついてますか?」
「ううん?いつも通りのお子様顔だよ」

そう返されてキーキー怒る。その手が後ろにいた一角に当たった。

「あ、すみません!」
「・・・いや」

腕を組んで、ジッと華奈を見下ろす。

「?」

別段、変わったところはない。いつも通りの小猿に見える。

「あ!一角さんは今日も道場で稽古するんですか?」
「おぉ、そのつもりだ」

「私も一緒に稽古していいですか!?」

頷くと、華奈が一角の着崩している着物の合わせをじっと見つめてきた。

「なんだ?」
「いや、一角さんもみんなも、腹筋割れてるよなぁって」

「あ?」

腕を組みながら首を傾げ、何かを考え出す華奈。

「食事が足りないとかなのかな?」
「あ?」

何を言っているのか分からない。何言ってんだお前という顔を向ければ、だからと返される。

「鍛えれば腹筋割れるじゃないですか」
「当たりメェだろ」

「私だって筋入ってるんですよ?」
「そりゃお前が俺らと同じ生活してるからだよ」

二人のその会話を聞いて、弓親がニヤニヤという顔をしながら華奈の肩に後ろから手をおいた。

「なに?華奈は腹筋割れてる方が好みなの?」

その言葉にザワリとする執務室。

「好みとかじゃなくて、アバラ骨が浮いてるのって大丈夫なのかなぁと思って」

ガタリッと大きな音がして、見れば一角が、というかみんなが立ち上がっていた。

「華奈、」
「はい?」

え、なに?この空気なに?みたいに目を見開いていると一角がガシッと頭をわし掴みしてきた。

「お前、昨日四番隊にいったんだよな?」
「は、はい!」

「それとよ、お前がいつも頼りにしいてる四番隊のやつ、名前なんつったっけ?」
「え、はな、花太郎のことですか?」

「行くぞお前らー!」

走り出した一角を先頭に、執務室にいた全員がおおぉ!と声を上げながらドドドッと地響きを上げて出ていった。

「な、なんだ今のは」
「馬鹿だよね〜」

四番隊には花太郎以外にも男はたくさんいるというのに。

「華奈ってその花太郎の事どう思ってるの?」
「?親友、というか家族に近いですね」

「そう」
「?」

やっぱり、花太郎は違うかと一人納得して自分の机に向かう。

「そうだ、華奈って花太郎のこと気に入ってるんだよね?」
「そりゃ、はい」

「なら、助けに行った方がいいと思うよ」

今頃一角たちに囲まれているだろうからと言えば、「なんだそりゃー!」と慌てて四番隊の隊舎がある方へ走り出した。
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