ブリーチ(夢)

□カナ24
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昼休みが終わり、華奈は稽古のために剣八と道場へむかった。
半ば引きずられて連れて行かれる華奈を見送り、一角の隣に座っている弓親は苦笑を浮かべて膝を抱える。

可愛い妹分。

いつも元気に走り回って、明るい声を上げて、子供のように無邪気な笑顔を向けてくる。
可愛い妹分。

「はぁ」

一角が胡座をかいた膝に肘をついて、その手の平に顎を乗せながら眉間にシワを入れる。

「なんだよ、ため息なんかついて」
「いや、あれだねぇ」

「?」
「僕もだけど、全員そろそろ妹離れした方が良いかもね」

壁にもたれ掛かりながら天井を見上げた弓親に、みんなの視線が集中した。

「華奈も女の子だし、恋でもしたら、こんな兄貴達よりもそっち選ぶでしょ」

その言葉を聞いて一角がブハッと吹き出して笑い出す。

「あ、あいつがっ、恋って!」

鯉じゃねぇんだぞ!と腹を抱えながら笑うが、弓親は呆れたようにため息をついた。

「本気で気づいてなかったの?」
「あぁ?」

「華奈、最近ボーッとしてること増えたじゃない」

今まで笑っていた一角、もとい全員がピタリと止まった。

「もうすでに、気になる男はいるみたいだし、あとは華奈が自覚すればそっちに転がるのなんかすぐだよ」

ニコリと、満面の笑みを浮かべて笑う弓親。

「僕は応援するつもりだから!相手が誰かはわかんないけど、華奈ってあぁ見えて結構綺麗な顔してるし!女は恋をして綺麗になるって言うし」

僕、美しいものが好きだからと立ち上がって、執務室を後にするその後ろで盛大な「はぁぁぁ!?」という声が聞こえてきたのは、無理もない事だ。
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