ブリーチ(夢)

□カナ21
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「鉄さーん!」
「ノックくらいせぇ、って、うお!?」

「見て下さいよ!犬の耳!!」

尻尾を振りながら七番隊の執務室に飛び込むと、そこにいた射場に駆け寄って行く。
華奈の姿を見て驚いた射場は、手に持っていた書類をズザーッと落としてしまった。

「なんじゃその姿はっ」
「はははっ!」

フサフサの尻尾を振りながら驚いている射場を見て笑っていれば、奥にある隊首室の扉が開いた。

「鉄座之門どうし、」
「あ、狛村隊長!」
「・・・犬?」
「はい!」

先の折れた犬耳をピコピコと動かしている華奈を見て首を傾げる狛村。

「華奈、その耳と尻尾はどうしたんじゃい」
「技局で働いてる友達の失敗作の薬を飲みました!」

「失敗作?」
「はい!」

事の経緯を話せば、射場がため息をつきながら華奈の頭を撫でた。

「お前の友達は何がしたかったんじゃ」

聞けば、動物の話しがわかっていいよね!と思い作ったのが今回の失敗作らしい。

「それでお前は犬になったんか」
「はい!友達二人はウサギと猫になってました!」

はははと笑って、華奈は執務室の窓に向かって歩き出す。

「吾郎と話してみます!」

わーいと嬉しそうにかけていく後ろ姿を見れば、ブンブンと尻尾が振られていた。

「・・・言葉、わかるんじゃろか」
「・・・どうだろうな」

とりあえず、間違いなく犬には見える。


七番隊の隊舎裏で吾郎と思う存分に遊んだ後、華奈は十一番隊に戻ってきた。結果から言ってしまうと、犬の言葉は分からなかった。
だが、吾郎は華奈を同じ動物と判断したらしく、普段人にじゃれる以上に楽しそうにしていた。

というのを執務室にいた一角たちに話せば、呆れたよにため息をつかれる。

しかし、やちるだけはキラキラと目を輝かせて華奈を見てきた。

「いいなー!あたしも耳欲しい!」
「副隊長だったら犬よりも猫の方が良さそうですよね!」

「わー!猫耳!猫尻尾!」

そう叫びながらやちるは華奈を連れて花音の元へ走り出す。
今日一日、十一番隊舎内では猫の耳をつけたやちると犬の耳をつけた華奈がいたという。

「剣ちゃんみてみて!」
「あぁ?・・・なんだそりゃぁ」

「猫の耳だよ!可愛いでしょ!」

やちるの頭の上で動いている耳を見て本物か?と触って確かめている剣八と、その手がくすぐったいのか何なのか楽しそうに笑っているやちるの姿があったとか無かったとか。
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