ブリーチ(夢)
□カナ19
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「あははは!!」
「そ、そんなに笑わないでよぉ!」
「これ面白いな!すごいぞ花音!!」
「わー、触ってる感触まである」
「失敗しちゃたー!」
技局の研究室では、華奈、楓、花音が鏡を見たり頭を触ったりしながら互いを見ていた。
「見てみろ!」
華奈の指差す頭を見れば、先の折れた犬の耳がピコッと動いた。
「もう動かせるようになったの!?」
「いや、結構簡単に動くぞ」
今、華奈の頭には犬の耳、楓には垂れ下がったウサギ、花音には猫の耳が生えていた。
後ろを向けばそれぞれ尻尾まである。
「こんなはずじゃなかったのに〜っ」
両手で頭に生えている耳を押さえながら涙目になる花音。
実は、花音が作った薬を飲んだことによりこうなってしまったのだ。
「うー、効き目が12時間っていうのは大丈夫だと思うんだけど・・・」
「そっか!じゃぁ私花太郎にも見せて来るよ!」
「えぇ!?」
このまま外に行くの?!と驚くが、華奈はそんなこと気にしていない。
面白いとしか思っていなのだ。
そんな華奈を止めようとしていればガチャリと研究室の扉が開いた。
「・・・何やってんだお前ら」
入ってきた阿近がくわえていたタバコを口から離してジッと見つめて来る。
花音が経緯を説明していれば「ほー?」といいながら煙りを吐く。
「じゃぁ私は行くな!」
「ちょっ、華奈ちゃん!」
「私も行くね。仕事まだ終わって無いから」
「楓ちゃんまでっ」
効果を消す薬を作るまで待ってよと言うが、二人は時間がたてば消えるんだからと言って研究室を出ていってしまう。
「お前より肝が座ってんじゃねぇか」
「うぅっ」
ため息をついて下を向けば、その感情をあわらしているのか猫の耳もペタリと寝てしまった。
阿近はニヤリと笑い、手に持っていた書類を花音に差し出す。
「?」
「十三番隊に持ってく書類だ」
「えっ?!」
お前が持ってけと花音の手に押し付けると、後ろ手にヒラヒラと手を振って研究室を出ていってしまう。
「あ、阿近室局長!!」
「ちゃんとお前が持ってけよー」
そんなぁと書類に目を向ければ、提出先は十三番隊の三席以上までとなっていた。
軽い目眩を感じた。