ブリーチ(夢)

□カエデ11
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「ん」

首の後ろが痛い。どうして痛いんだろうと考えて、息を呑みながら勢いよく起き上がる。

しかし、頭を掴まれてまたベッドに戻された。

「たっ、隊長!!」

未だ頭を掴んでいるのは涅の手。驚きと焦りでその手を掴んだ。

「!」

知っている。
この体温を、細いのにしっかりとしている手の感触を。

「涅、隊長?」
「・・・」

一言も話さず、楓の寝ているベッドへ腰掛けると手を離した。
見上げても、何か言ってくることはない。
しかし、金色の目が揺れていた。

「涅、隊長」
「・・・」

口を開こうとしないその人に、思わず手を伸ばしてしまう。
いつも一人で帰るのを心配して送ってくれる時のように袖を握れば、わずかにだがピクリと反応した。

どこかで、確信していた。この人だ。

揺れる金色の目も、手も、ずっと探していた人だと物語っている。
自然と、涙が出てきた。
喜びの涙か、感激の涙か、まったく別物か。

「お、お兄っ」

言葉が続かない。口に触れるその感触も、つい昨日感じたものと全く同じ。

「ふっ」

侵入してきた舌に頑張って自分の舌を絡める。ぎこちないけれどそこは許してほしい。

「お、あっ」

いつの間にか帯が解かれていて、その間から入って来た手が太ももを撫で上げる。
ゾクゾクと背筋をはい上がってくるその感覚に、目の前にある着物を掴んで耐えた。

しかし、その途端手の動きは止まり、すぐそばで感じていた吐息さえも離れていってしまった。

「、?」

見上げれば、金色の目と目が合う。
だが、その目はさっきのように揺れてはいなかった。

「お、お兄、ちゃん?」
「・・・」

声をかければ、スッと手が動いて自らの合わせを開いて見せた。
白い肌が露出する。

しかし、楓にはその意図していることが分かってしまい頬を赤く染めた。

「え、あっ、も、もう分かってる、のに?」

言っても早くしろと無言で見返され、さらに顔は赤くなった。
戸惑う楓の赤い頬に手を添えて上を向かせれば、やっとその気になったのか小さな両手を強く握って口を開く。

「わたっ、私の!し、印しがある、あるのっ、どこかわかりますか!!」

怒鳴るような大きな声でそう言えば、クッという笑い声が聞こえてきた。
目を開けて見ても、そこにはやはり笑っているとしか思えない姿があって、恥ずかしさのあまり泣きたくなった。

「っく、まったく、そのくらいで泣くんじゃないヨ」
「だ、だって!」

文句の一つでも言ってやりたいのだが、また口をふさがれたため言葉は出てこない。

「答えは、ココだろう?」

裾の下から手を入れて、胸を包むようにしながら着物の合わせを開き昨日自分で付けた跡が残っている場所をさらけ出す。

「んっ!」

跡が残っているそこに口を近づけて、もっと色が濃くなるようにと吸い付いた。

聞こえてくる楓の声が体の血を熱くさせる。

舌を絡めるように深いキスを繰り返し、開けさせた胸に新しい跡を残していく。

「お、お兄っ」
「何度も言わせるな。私はお前の兄になるつもりはないヨ」

「で、でもっ」
「もう私の名前も分かったんだ。その敬称はやめたまえ」

「あ、うぅ」

顔を赤くして目をさ迷わせ、キュッと着物を握った。

「な、名前、で、呼んでいい?」
「・・・好きにしたまエ」

「じゃ、じゃぁ」

ちょっと嬉しそうに頬を染めながら笑って、

「ま、マユリ、さ・・・お兄ちゃん」
「・・・はぁ」

なんでそんなにお兄ちゃんと付けたがるのか分からない。
しかし、楓は恥ずかしそうに俯いている。

「だって!いきなりっ」
「知らないヨ、お前の事情なんて」

あらわになっている首へ口を寄せ、舌を這わせながら手で太ももをさする。
柔らかい感触を楽しんでいれば、ビクビクと反応しながら手で口を抑えていた。

「何をしている」
「だ、だって!」

手を掴んで口から外させ息を荒げている楓を無視し、息をさせないほど深くキスをした。

「お前の事情など知らないと言っただろ」
「ん!」

袴を完全に脱がし、足を広げさせてそこに体を入れて覆いかぶさる。

「まっ!」
「なんだい。そのために来たんだろう?」

昨日言ったじゃないかと耳に息をかけるように囁いて舌を這わせた。

『続きをしたいなら、早く私を見つけることだネ』

その言葉を思い出したのか、力の入らない手で押し返しながら首を横にふってきた。
だが、そんなこともすぐに出来なくなる。

「あぁっ」
「そうやって鳴いていたまえ」

体中を触って愛撫を送り楓を追い詰めていく。このまま最後までやってしまおうかとも思ったのだが、珍しい霊圧がこちらに向かってきている事に気づき舌打ちをして手を止めた。

「お、お兄ちゃん?」
「邪魔な奴だ」

そう呟いて、袖から小型の伝令心機を取り出すと耳にあてて話し出す。

「ネム」
『はい、マユリ様』

「そこで抑えていろ」
『かしこまりました』

「?」

首を傾げれば、上からどいて床に落ちていた袴を拾って投げてくる。

「身支度を整えたまえ。邪魔が入った」

萎えたヨと呟いて、自分も開けていた前を閉じると楓の腕を掴んで扉へ向かいだす。

部屋から出て連れていかれたのは十二番隊の執務室。
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