ブリーチ(夢)

□カエデ11
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あいつの霊圧を感じる。いつもなら倉庫へ行っている時間だと思うのだが、まだ仕事でもしているのか。

少しずつこちらに近づいてきている。

ここで鉢合わせになるもの、また面白いかと放っておいた。
倉庫でいきなり襲われて、平手打ちを食らわせた相手に会ったらどんな反応をするのだろうか。
慌てて逃げるか、謝ってくるのか。

謝って来たら実験としょうしてまた遊んでやろうとは、心の声だ。

少しずつ、確実にこちらに近づいてきている。

「マユリ様、どうかされましたか?」
「・・・なにがだ」

「いえ、いつもとご様子が違うと思いまして」
「フンッ」

後ろにいるネムはそれ以上口を開かず、黙って歩く。

歩けば歩くほど、あいつとの距離が縮まっていく。

研究所へ続く一本道の突き当たり、角を曲がったその時に楓が顔を出した。



この角を曲がったところにお兄ちゃんがいる。

心臓は期待と興奮でさっきからドキドキうるさい。
意地悪なお兄ちゃんが残してくれたヒント。
それは霊圧だけじゃないから、この胸に着いている跡のことも口にしないときっと認めてくれないんだろうなと考えると、顔に熱が集中してきた。

角を曲がる手前で進む足を一度緩めて大きく息を吸い込む。

やっと、見つけることができたんだ。

意を決して、道を進んだ。




「くっ、」
「・・・」

大きく目を見開いて固まっているそいつを見下ろす。
怯えているのか、はたまた今の状況を理解出来ていないのか。

混乱している小さな頭でいったい何を考えているのか。

「あ、え、」
「・・・」

言葉になっていない言葉を口から出してはパクパクと動かしている。

単純に、その驚いている姿が気に食わなかった。

トンッと首の後ろを手刀で打てば、グラリと体を揺らして気絶した。

「ネム、お前はこのまま研究所に行って続きをしていろ」
「はい、マユリ様」

楓を抱えて瞬歩で自室へ向かった。
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