ブリーチ(夢)

□カエデ7
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花音は今日も技局内で働いていた。
書類を作り、他のみんなが使った実験器具を洗ったりセカセカと動きつづけている。

「あ、ネム副隊長」
「花音さん」

「こんにちわ」

研究室にやって来たネムに声をかけて頭を下げる。そんな花音にネムも薄く笑って頭を下げた。

「ネム!扉の前で立ち止まるんじゃないヨ!」
「申し訳ありませんマユリ様」

ネムの後ろから何やらゴチャゴチャといろんなモノが入っている箱を抱えてやって来たマユリ。
花音はマユリにも挨拶をするがうるさいヨと言われてしまった。

「なんだか、ご機嫌斜めですか?」
「いえ、そのような事は」

むしろ上機嫌の方に入りますと返され、その違いが全く分からないと苦笑した。

そんな話しをしていれば、また後ろで扉がガチャリと開いて、

「あ、楓ちゃん」

八番隊の楓が立っていた。

「どうしたの?」
「この書類、十二番隊の書類何だけど、隊舎に行ったら隊長も副隊長もこっちにいるって聞いて」

そう言って手に持っている書類を見せて来る。

「では、私がお受け取り致します」
「あ、よろしくお願いします」

両手を差し出したネムに、楓は書類を渡して頭を下げると花音を見た。

「今日の休憩時間って、開いてる?」
「うん、今のままだったら多分行けると思うよ?」

どうしたのと首を傾げれば、うんと頷いて頬を染めながら顔を伏せる。

「その、華奈が甘味処に、みんなで集まろうって」
「?」

その誘いにしては妙に照れているなとさらに首を傾げた。そして、

「さ、探してた人、にね」

やっと会えたんだと言えば、大きな声を上げて驚く。楓は慌てて首と手を振りながら顔を赤くしていった。

「でも!本当に会えただけで!!」

話しも少ししか出来てないしと言って来るが、花音にはそんな事どうでもいい。
楓がずっと探していた想い人にやっと会うことが出来たのだ。
喜ばずにいられるか。

「絶対!絶対行くから!!」

休憩時間になったら直ぐに走っていくから!と約束して、今だ顔の赤い楓を送り出した。

「なんかあったのか?」

テンションの高い花音に阿近が近づいて聞いくが、花音は両手を頬に添えて明後日の方向を見ながら周りに花を飛ばしていた。

「?」
「はぁ〜、やっと会えたんだぁ」

ずっと、学院に入る前から探していたという楓の憧れの人。
そして、好きな人。

「本当に、よかったです」

そう呟いて微笑んだ花音を見ている人物が居たことに誰も気づいていなかった。ネム以外。

「ネム」
「はい」

「あの二人の関係はなんだ?」
「霊術学院時代からの友人、と聞いております」

「ここにはよく来るのか?」
「よく、では無いですが、何度か花音さんを訪ねて来られた事はありました」

それも全部マユリがいない時か研究に没頭して部屋から出てこなくなった時などに。

「ッチ、アイツはタイミングも悪いのか」
「?」

「何でもないヨ!」
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