短編集2(夢)

□グリンパーチ2
1ページ/2ページ



この日も好きなようになぶられて眼を閉じた。

次に眼を開けるときは、真っ黒の天上が見えるはずだったんだけど、

「・・・?」

見えたのは真っ白な天井だった。


体は固定されていて動けなかったから、眼だけを動かしてまわりを見てみる。居たのは、黒いローブを来た小さなおじいさんだった。

「ん?あぁ、起きてしまったのか」

しわしわの顔で私の顔を覗きこんできた。

「楽にしとれ。今からお前さんの体に特別な細胞を入れるからの」

そう言ってカチャカチャと何か分からない機材を準備し始める。


私は、また天上を見て眼を閉じた。


今から何をされるのか、あまり興味が無かったのだ。

生き残っても今と変わらないだろうし、死んだら死んだで、嬉しいかもしれない。

腕に注射器を刺されたのだろう事がかすかな痛みで分かった。

それから、

「っ!!!!」

熱くなって、痛いのかしびれるのかなんなのか。


口から血が流れていく。

目の前で火花が散っている。

頭蓋骨をかち割られて脳みそをかき回されているような気がする。

体中の血管が切れて、肉を引きちぎられている気がする。

「っ!つっっつっ!!!!」
「お主、声がでんのか?」

ただただ、口を大きく開けて詰まりながら荒く息をする以外できなかった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ