エクスペンダブルズ(夢)

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「バーニー、ツカサの店はあれでやってけてんのか!?」

ツールの店にやって来たクリスマスは、バーニーを見つけるや否やすぐにそう言った。

「行って来たのか?」
「ああ、老人ホームみたいになってたよ」

その言葉にツールと二人で笑い出す。煙が変な場所に入ったのか、涙まで浮かべて咽ているツール。

「差し入れだとさ」
「ミートパイか。あいつのは絶品だぞ」

一度は食べておいた方がいいと包みを見ながらみんなに声をかけた。

「心配しなくても、あいつには本職がある」
「セラピストでもしてるのか?」

「まさか。画家だよ」

それなりに売れてるみたいだと、冷蔵庫からビールを取り出して飲む。そして、つまみ代わりにパイを食べた。

「こっちに来て初めてまともなものを食べた気がする」

美味いと、ヤンの持っているパイはすでに半分が無くなっていた。
冷蔵庫を開けていたヘイルにガンナーが声をかけ、トールもビンを受け取って口を付けた。

「司は日本人か?」
「ああ」

「そうか、なら米料理ができるな」

食いたくなったら頼もうというヤンは、相当パイが気に入ったようだ。

「いつ行っても食えるかもしれないぞ」

それも格安でと、ため息を吐きながらクリスマスもビールを出して一口飲んだ。

「ご機嫌斜めだな」
「ああ、女に奢られたような気分だ」

ツールは笑って、お気に入りのウォッカを飲む。

「言ってなかったのか」
「ああ」

バーニーも笑って、機嫌の悪いクリスマスを見ていた。

「どういう事だ?」

トールが首を傾げれば、自分の分に手を伸ばしたクリスマスが疲れている様に座ってきた。

「喜べ、ツカサの店ではエクスペンダブルズは何を食っても5ドルだ」
「子供のお小遣いの額だ」

「その通り」

おまけにこっちの付き物まで落としてくれると、文句でも言っているかのように「美味い」とパイを食べたのだった。

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