魔法少女リリカル00 〜世界を越えた超兵の話〜
□第03話 事件発生
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フェイトside
車を工場地区の港に止め、アレルヤを見る。彼は車が止まって安堵の息をはいていた。
「アレルヤ、私は航空機の援護に行きたいんだ。けど…貴方を捕まえた以上、私は貴方に対して保護の責任もある。だから、お願い。大人しく此処で待っていて」
捕まえておきながら無茶苦茶な事を頼んでると思う。彼が逃げ出したら、とは思うけど、多くの命を見捨てる事も出来ない。
「…はっ!…行けよ、フェイト」
いつの間にか落としていた視線を上げると、不敵に笑うアレルヤがいた。
「(でも、このギラギラした感じは…)もしかして、ハレルヤ?」
「くく…ああ、そうだ。俺がハレルヤだ」
ハレルヤは背もたれに体を預けると目をつむった。
「俺は寝てんだ。だから寝ている間に何が起こってたなんて知らない。お前が何処にいっていたのかもな」
ハレルヤはそう言うと静かになった。初めはひどい人だと思ったけれど、いいところもあるんだな…。
「ありがとう、ハレルヤ。…いくよ、バルディッシュ!」
〈イエス、サー〉
車から降りてバリアジャケットを装着する。もう一度、ハレルヤを見ると彼は目をつむったままだった。
「(わざと行かせてくれるんだ。行かなくちゃね)………フェイト・T・ハラオウン、いきます!」
彼を残すという迷いを断ち切り、私は空を飛ぶ。
多くの人を救うために。