魔法戦記リリカル0 0 ブレイク・ワールド
□第4話 立ちはだかるモノ
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アレルヤside
今回はゲートをくぐっても意識を失う事はなく、僕はフェニックスのコックピットから周りを見ていた。
アレルヤ(コレが…ゲートの中か)
ゲートの中は明るく、海のような澄んだ青の空間が拡がっていた。その中を、無重力なのに落ちていくという感覚が 襲い、何だか矛盾した空間だった。
フェニックス「マスター、あと10分ほどでゲートの出口に到着する」
アレルヤ「了解」
後ろにいるフェニックスが絶えずパネルをタッチして何かの情報を整理している。 …少しだけ見せて貰ったけど、僕には理解出来なかった。
フェニックス「あと5分くらいか…」
アレルヤ「…………?」
……何だろう、とても嫌な感じがする。頭にチリチリと、電気が走る感じだ…
フェニックス「あと3分…」
アレルヤ「……来る!」
嫌な感じが頂点になった時、僕はフェニックスガンダムに急制動をかけた!
フェニックス「きゃあ!?な、何を「来るよ!」えっ!? 」
フェニックスが動揺していたけど、今の僕と敵はそんなのお構い無しだ。
僕達の進行方向から青い空間を突き進んでかなりの数のミサイルが飛んできた!
アレルヤ「ビームライフル!」
僕の声に反応してフェニックスガンダムの手にビームライフルが握られる。
アレルヤ「このぉ!!」
ビームライフルの引き金を引いて目の前から来るミサイルを撃ち落とす!
フェニックス「そんな…ゲート内で攻撃!?まさか、ジェネレーションシステムがこの空間にまで介入してきたの?!」
後退しながらミサイルを回避、機体に当たりそうなモノだけ撃ち落とす。
アレルヤ「…く!いったい何処から!?」
フェニックス「っ…!!駄目、ゲートの中では発射地点が分からない!」
アレルヤ「なら、じり貧になる前に!」 ハレルヤ「一気に行くぜぇ!!」
後退を止めてハレルヤと意識を共有、機体を前に進める。ミサイルはいまだにコチラに向かってくるけど、機体に当たるか当たらないかのスレスレを僕達は飛んでいく。
フェニックス「す、すごい…!」
ハレルヤ「感心してる暇があんのか!?女ぁ!!」 アレルヤ「フェニックス!出口は!?」
今は全て避けきれているけれど、長引けば長引くほどに状況は悪くなる。 その前に敵を倒すかゲートから脱出しないと!
フェニックス「え!?えっと…そのまま、そのまま前へ! !」
慌てながらも自分のやるべき事を思い出したフェニックスは進行方向をモニターに映す。その先は…
アレルヤ「この方向、弾幕の中心!?ハレルヤ!」 ハレルヤ「ハハッ、いくぜぇえ!」
さらに激しさを増す攻撃。ミサイルの他にマシンガンみたいな実弾攻撃まで混ざり始める。
ハレルヤ「当たらねぇなぁ!?」 アレルヤ「当たったら、それも問題だよ」
軽口を叩きながらも微妙かつ、絶妙な動きで全てよける。
ハレルヤ「それもそうか。なんせ今の俺らは…」 アレルヤ「真のイノベイターなんだから」
両の瞳に金色の光が走る。僕の思考は澄み渡り、俺の反射は冴え渡る。
アレルヤ・ハレルヤ「「そんじゃさ…押し通るよ!」」
機体を縦横無尽に回転させて両手に持つビームライフルの引き金を引く。
アレルヤ「上35度、左48度、右55度、下82度、左13度、上64度…」ハレルヤ「ハハハハハ!!」
ビームが放たれ、その先にある敵を撃ち抜く。 爆発の花が咲き、攻撃が緩くなっていった。
フェニックス「敵は…サーペントだったのか」
アレルヤ「サーペント?」
フェニックス「重火力を主に置いた量産機だ。パックの交換で様々な武器を使い、量産機にしては高い防御力と機動 性を有する機体だ」
アレルヤ「そう…」
空間に浮かぶサーペントの残骸を見る。 あの形状…僕らの世界にはないモノだ。
フェニックス「しかし…マスターは凄いな」
アレルヤ「?、そうかい?」
フェニックス「ああ!だってアレだけの数の攻撃を難なくかわして、敵を全滅させたんだから!」
フェニックスを見ると彼女はとても嬉しそうに笑っていた 。 …うん、普通に可愛いね。
フェニックス「やはり私の目に狂いはなかったな!」
アレルヤ「ははは…期待に応えられてなにより、かな?」
僕達はゲートの空間を再び前に進む。 鉄屑の残骸となったサーペント達の中を通過していく。
アレルヤ「このままゲートに〔ドカァァン!〕ぐぁあ!? 」 フェニックス「きゃああ!?」
その時だった。背後からの衝撃にコックピットが揺れる。 いったい何が起きたんだ!?
アレルヤ「ぐぅう!?」
しかも体制が立て直せない!?
アレルヤ「攻撃された!?フェニックス!!」
フェニックス「………」
返事がない彼女を見ると力なく空中に浮いていた。 衝撃で気を失ったみたいだ。
アレルヤ「くう…!制御できない…!!」
必死に体勢を立て直そうとしたけど努力は報われず、機体は重力に引っ張られて、僕達は何処かへ落ちていった。
?side
〈ミッション完了…〉
落ちていく赤と白の機体が別のゲートに落ちたのを確認する。
遠距離からの攻撃だから相手は何が起きたか分からないだろう。
?『ご苦労だった。帰投しろ』
突然あらわれた空間モニターには俺の創造者が写っていた。
?〈止めを刺さなくていいのか?〉
俺はそれに特に驚くこともなく、意見を具申する。
?『かまわない。今はまだ、な』
創造者は不敵な笑みを浮かべていた。…命令なら従うだけだ。
?〈了解した、帰投する〉
俺は今一度、フェニックスが何処かの別世界に落ちたのを確認してその場から離脱した。