魔法戦記リリカル0 0 ブレイク・ワールド

□第1話 決戦から30年後…
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リジェネside

リジェネ「う〜ん、どうしたもんかな〜…」

ヴェーダのターミナルが置かれている部屋で、僕は考え事 をしていた。最近は戦争が少なくなってきて暇を持て余す 事が多かったのに…。

リジェネ「なんでこんなのが出てくるのやら…」

僕の手には一枚の写真がある。この写真に写るコレが何なのか、ヴェーダに問いかけたところ…

【ELSと同じ、異種知性体の可能性大】

と、返ってきた。

リジェネ「ELSのような存在ね〜………」

ただ、ELSと違うのはコイツが初めて確認出来たのは一 月前くらいだけど、何をする訳でもなく、地球から一定の 距離を保って衛星軌道で地球の周辺をぐるぐるとまわっていること、そして不定期ながら謎のシグナルを発信していることだ。

リジェネ「う〜ん…前回のELSみたいに助けを求めてる訳でもないし、何かの調査か、あるいは侵略の為の準備か…」

どちらにせよ、ほっとく訳にはいかない。ティエリアにも留守を頼まれてるし〜。

リジェネ「あ、そうだ。等に頼もう」

こういう荒事になりそうな事は僕より彼等の方が断然上だし。

リジェネ「そうと決まれば、善は急げだね」

ヴェーダのターミナルがある部屋から出て、秘密格納庫に向かう。 人間がこのソレスタルビーイングに入るようになって30年になるけど、彼等には未だに見つかってない部屋や製造ラインがこの外宇宙航行艦ソレスタルビーイングには沢山あるのだ。

リジェネ「それじゃ、行きますか」

ティエリアのパイロットスーツを着た後、秘密格納庫に保管してあるジンクス4に乗り込んで宇宙に出る。

リジェネ「さて、彼等は元気かな?」

会うのは久しぶりだ。手土産でも持って来ればよかったかな? そんな事を考えながら僕は彼等の元へ向かった。


ライルside


ライル「正体不明のシグナルを調べろ、だと?」

リジェネ「そ。謎のシグナルを調べて欲しいんだよね〜」

久方ぶりの客人を迎える為にパイロットの待機場所にいた俺に、来客はいかにも怪しい仕事を持ってきやがった。

ライル「おいおい…そんな仕事は若手にやらせろよ。俺はもう60代のおっさんなんだぜ?」

自分で言っといて悲しくなるが、事実なんだからどうしようもない。

リジェネ「そんな事を言って…身体はあの決戦からあまり変わってないじゃないか」

そう…リジェネの言う通り俺は、あのELSとの最終決戦後、一月ぐらい経った時に自分がイノベイターになってい るのを鏡を見た時に気づいた。 イノベイターになったおかげで歳をとっても外見も能力も全盛期とほとんど変わらず、顔に多少シワがあるくらいですんでいる。

ライル「気分の問題だ」

リジェネ「あっそ。でも若手は他の事で忙しいから暇な君達に行ってもらうから」

チッ!めんどくさい…

ライル「わかったよ、やりゃあいいんだろ、やりゃあ…」

リジェネ「そうでなくちゃ」

ライル「んで?そのシグナルを調べりゃいいのか?」

リジェネ「そうだよ。だけど気は抜かない方がいい。その発生源は、こんなモノなんだからね」

リジェネが一枚の写真を見せてきた。ソコに写っていたのは…

ライル「ガンダムか」

リジェネ「そうだね。頭の形状はガンダムに似てる。けれどね、ヴェーダに聞いたんだけど、こんなガンダムは作っ てないんだってさ。おまけにコイツ、ELSと同じで外宇宙から来た可能性があるらしいよ」

刹那がエルスと対話して彼等の母星へ旅立ち、30年が経 っているが…さらに別の種族が来た可能性があるとは…。

アレルヤ「ロックオン、コーヒー入れて来たよ」

ロックオン「お、サンキュー。アレルヤ」

さっき、じゃんけんで負けたアレルヤがコーヒーを持って部屋に入ってきた。

アレルヤ「あれ?リジェネ、久しぶりだね」

リジェネ「こんにちは、アレルヤ」

お互いに挨拶をかわす二人。アレルヤも30年前から姿が 変わってない。どうやら最終決戦の最中にイノベイター化 したらしい…と、本人から聞いた。

アレルヤ「ん?コレは…ガンダム?」

アレルヤがリジェネの持っていた写真を見ていた。

リジェネ「そうなんだ。彼には話したけど、よかったら君 も行ってくれるかい?」

アレルヤ「?、どういうことだい?」

リジェネが再び説明し始める。俺はソレをコーヒーを飲みながら見ていた。 人々が真のイノベイターへと変革していくこの世界で…このガンダムもどきは何を求めて地球に来て、シグナルを発信しているのだろうか…。

アレルヤ「なるほど、わかった」

思考を現実に戻すとアレルヤが何か納得していた。

リジェネ「理解が早くて助かるよ。コイツ、見た目はガンダムだからさ、僕らソレスタルビーイングのモノと勘違いされちゃまずいしさ〜。今はヴェーダが誤魔化してるけど 、永遠には誤魔化せないからね」

アレルヤ「なら急いだ方がいいか。行こう、ロックオン」

ライル「了〜解」

さてさて…何も起きなきゃいいがな…。


アレルヤside


リジェネに頼まれ、僕はジンクス4、ロックオンはサバーニャに乗って調査に向かった。 僕とロックオンは写真に写っていたあのガンダムもどきが最後に確認された ポイントまで来て辺りを調べてみる。

アレルヤ「……何もいないね」

ライル『ったく…リジェネの奴、本当にここかよ?何もない〈ピピピ〉…なんだ?』

通信越しにロックオンが文句を言っていたその時、レーダ ーに何かが反応した。

アレルヤ「…ロックオン、1時の方向…」

ロックオン『あ?何かいるの……か?』

僕とロックオンが見たのは、大きな青と黒色の鳥だった。 その鳥はこちらに急速接近してくるといきなり変形して人型になってビームを撃ってきた!

ライル『チィ…やっぱそうなんのかよ!』

アレルヤ「可変型?そう簡単にはやられるもんか!」

いきなりの事でびっくりしたけど、僕達は冷静に対処する 。サバーニャのホルスタービットでビームを防ぐと僕はビ ームサーベルを構えてガンダムに攻撃する。

?〈…………〉

しかし、相手も両手にビームサーベルを持つとクロスさせ て振り落とした僕のビームサーベルを防ぐ。

よし、かかった!

アレルヤ「君がナニかは知らないけれど!」

ロックオン『俺らに会ったが運の尽きってな!』

全方位に急速展開されていたライフルビットの一斉射撃を受けてガンダムもどきは沈黙した。

アレルヤ「終わった…?」

ロックオン『一応、後の事も考えて急所の攻撃は避けたが…喧嘩 をふっかけておいて負けるとか、ありかよ?』

僕達は一安心する。

けど…事態は急変した。

アレルヤ「ん?反応がもう一機…?」

ライル『早ぇな…来るぞ!…〔ガゴン!!〕っな!?』

レーダーに反応した新たなアンノウンに気をとられた瞬間 、機能停止させたガンダムもどきが再起動して、サバーニャにしがみついた!

アレルヤ「ロックオン!!」

ロックオン『チィ!?…っアレルヤ!来るぞ!!』 アレルヤ「!、しまっ〔ガゴン!!〕ぐあぁ!?」

ロックオンに気をとられた隙に接近してきたアンノウンは 、僕の機体にしがみつくとリジェネの言っていた謎のシグ ナルを発信し始めた!

アレルヤ「コイツもシグナルを出してる!?」

ロックオン『こっちの機体もだ!くそっ!離せ!』

何とか引き剥がそうとするけど機体が上手く動かない。まさか…このシグナルの影響!?

アレルヤ「くっ!このままじゃ…〔ピピピ!〕今度はなに !?」

センサーが何かに反応してそちらを見ると、ソコにはあり得ないモノがあった。

アレルヤ「なんで…ゲートが!?」

30年前、時を越えて過去の世界に行き、帰る時にも使ったゲートがソコにはあった。

ロックオン『くそったれ!吸い込まれる…!?う、おああぁぁぁぁ………!』

アレルヤ「制御出来ない…!うわぁああぁぁぁ……!」




アレルヤとロックオン、謎のガンダムとアンノウンを飲み込んだ後、ゲートは何も無かったかのように消えた。

30年の時を経て、再び世界を、時空を越える超兵と狙撃手。

彼等が行き着く先は、果たしてどんな世界だろうか…?
 

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