剣の章
□死後の世界
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『王様ゲーム』での死後の世界―
『王様ゲーム』の最初の犠牲者である秀樹と里美はそこにいた。
秀樹は周囲をキョロキョロと見渡しながら言った。
秀樹
「何だここは…」
「オレが死んだって事は、まさか…」
「ここは地獄…!?」
「いや…」
「里美もここにいる訳だから、むしろ天国か!」
秀樹は自分たちの置かれた状況を勝手に解釈しだすと、里美は…
里美
「天国、かは分からないけど…」
「王様の命令に従わなかったから、私たちは死んだのかな?」
秀樹
「そうかもな。」
「でもまた王様の命令に従えば、生き返れるかも知れないぜ?」
そう言って秀樹はいやらしい目付きで、里美の胸を触る素振りをした。
里美
「イヤ…」
「それだけは絶対にイヤ…!!」
里美が顔を火照らせ、秀樹から遠ざかろうとした、その時…
2人の携帯が同時に鳴った。
2人は互いに顔を見合うと、それぞれ携帯を覗いた。
【送信者:王様/件名:王様ゲーム/本文:生き返えりたければ王様の命令に従う事。/END】
秀樹
「つーか、ここでも王様ゲームかよ!?」
秀樹がメールを見て半ばヤケになった。
その時…
目の前の茂みから突如、犬のような頭を持った二足歩行の奇妙な生物が飛び出してきた。
その生物は2人をまるで獲物を見るような目付きで、敵意が伝わるのが分かる程だった。
里美
「恐い…」
秀樹
「いいか里美…」
「オレの側から離れるんじゃねぇぞ。」
里美
「うん…」
その時…
再び2人の携帯が同時に鳴った。
秀樹
「何なんだよ、こんな時に!?」
「里美、頼む。」
里美
「う、うん…」
秀樹は里美をかばうようにして、里美にメールを確認させた。