hok短編
□冬のある日
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「ねぇ、あのさ、」
「はっはい?!」
沖田さんは自室から庭を掃除している私に突然声をかけてきた。
「なんでそんなに薄着なの?」
「……はい?」
私はいつも通りの服装で、特に変わりはない。
「だから、今日寒いでしょ?」
確かに今日はいつもより冷える。
鳥肌が少したっているのがその証拠だ。
「ちょっとおいで」
ちょいちょいと手招きする沖田さんの元にほうきを木にかけて行く。
草履を脱いで、沖田さんの自室に失礼します、と一言言って入ると、急にグイッと引っ張られた。
「沖田さん?!」
私は気がつけば沖田さんの腕の中。
「ほら、こうした方が温かいでしょ」
「っ!」
ニコッと意地悪そうな沖田さんの笑顔が私の顔を覗き込む。
私は恥ずかしくなって目をふせるけど顔は火照ったまま。
沖田さんは満足したのか私の首元に顔を埋めてすぅすぅと寝息をたて始めた。
しばらくこの状態でいるのも悪くないよね…?
(彼の胸の中が)(心地よいのです)