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□5.俺はずっと好きだから
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私は彼らにかけよって男の子の膝をハンカチでふいて持っていた絆創膏をはる。


きょとんとした男の子はじっと私を見るので笑って


『男の子なんだから泣かないの』




と言って再び犬の散歩に戻ったのだ。










じゃあ、あの時の青年って一十木くん?


「思い出した?」


『うん』



「俺さあの時の七海の笑顔が忘れられなくってさ、で高校入ったら君がいたんだ。」


嬉しそうな笑顔を浮かべる一十木くん。

彼は気づいていないだろう。


自分自身の笑顔がひまわりみたいになことに。



「でも話しかけづらくて、しばらく君を見てると…だんだん好きになって、さ」

嬉しそうな表情から照れくさそうな表情に変わっていく。


ピンクの頬の彼はポツリ、と一言。


「…でも、一目惚れなんだ」


『いっと』


「たぶん、俺はあの時から七海のことが好きなんだよ」

その言葉に照れてしまって顔が沸騰する。



何故か今まで以上に彼を愛しく感じる。

私は彼の背中に抱きついた。







 
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